元かんざし職人で現在は螺鈿職人として活躍する、螺鈿澤井工房の澤井正道氏による展示会が12月18日(水)~23日(月)の期間、岩手県盛岡市にあるギャラリーカワトクにて開催中だ。
令和6年度「螺鈿細工工」としての卓越技能者を受賞した澤井氏が手がけたアクセサリーや茶道具、小箱、機械式腕時計などを展示・販売している。
螺鈿職人・澤井正道氏の展示販売会が開催中
岩手県にある螺鈿澤井工房は、東京出身の元かんざし職人・澤井正道氏が、岩手で採れた貝と漆を使い、土台作りから完成に至るまで一貫して螺鈿作品を製作している。
10年以上乾燥させた銘木とされる黒檀の板を糸鋸で切り出し、岩手でしかとれない三陸産のアワビ貝や夜光貝などを使い、漆は国産のものの中でも特に高品質な岩手県産の浄法寺漆のみを使うという。何度も塗っては研ぎだす工程を経て、完成した螺鈿作品は息をのむ美しさだ。
現在は関東、関西の百貨店や全国の展示会などのイベントに出展し、独自の世界観と地元の素晴らしさを国内外へ発信している。
三陸の豊かな自然と出会い螺鈿職人となった澤井氏
澤井氏は東京都墨田区出身。中学卒業と同時にかんざし職人の道へ進み、すべての技法を一から学んだ。かんざし工房から独立後は妻の実家である岩手県に移住。三陸の豊かな自然の中で、国宝の修理に使われる浄法寺漆や、三陸のアワビ貝の美しさを知る。この出会いから、螺鈿職人としての人生がスタートした。
「螺鈿細工工」としての卓越技能者を受賞
そして澤井氏は令和6年、螺鈿職人としての技術が岩手県から評価され、「螺鈿細工工」としての卓越技能者賞を受賞した。螺鈿は三陸の地で生まれ、県内の「世界遺産中尊寺金色堂」は認知度も高い。澤井氏は伝統技法が消えゆく中、「いわて三陸螺鈿」を後世に伝えていくとしている。
現在開催中の「澤井正道 螺鈿展」は12月23日(月)午後4時まで。皇室へ献上された作品も手がける、日本でも数少ない螺鈿職人が作り出す美しい作品を見に足を運ぼう。
いわて三陸螺鈿の世界「澤井正道 螺鈿展」
開催期間:12月18日(水)~23日(月)
会場:ギャラリーカワトク
所在地:岩手県盛岡市菜園1丁目10-1 パルクアベニューカワトク 5階
※最終日は午後4時閉場
螺鈿澤井工房:https://sawaikoubou.com
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000154511.html
(hachi)