江戸時代創業、箱根の老舗旅館がリニューアル。古き良き伝統と現代が融合する「松坂屋本店」

神奈川県箱根で旅館5店舗・飲食店3店舗を運営する金乃竹は、創業360年を超える老舗旅館「松坂屋本店」にて、9月に皇族ゆかり深い2つの館「離れ」「春風荘」のリニューアルを実施した。

歌川広重の浮世絵にも描かれる創業1662年の江戸から続く温泉宿で、古き良き伝統と現代が融合した新たな旅館体験を満喫しよう。

日本の伝統的な造りを残しつつ最新の設備に改装

金乃竹が、老舗旅館「松坂屋本店」にて、リニューアルを行ったのは、元皇室別邸であった「離れ」と大正時代の建物・岩崎家別邸を移築した「春風荘」だ。

1662年創業の同館は、明治期に木戸孝允と西郷隆盛の会見が行われ、勝海舟・山岡鉄舟・副島種臣が逗留するなど、多くの政治家・文人墨客に愛されてきた歴史ある旅館。

中でも今回リニューアルした「離れ」「春風荘」は皇族にゆかりが深く、特別なものであった。しかし、建物の歪み・遮断性の悪さなど、古いが故の問題が多く発生。

そこで、間取り・欄間・広縁からの庭園の眺めなど、日本の伝統的な造り、歴史遺産を残しながら、現代のゲストに快適に滞在してもらえる客室を再生したいという想いから、リニューアルへと至ったという。

360年の歴史を誇る建物を現代の快適さと調和させるため、純和風の佇まいを維持し、ベッドの導入・レインシャワーの設置・2個口の洗面台など、現代の利便性を取り入れた。

このようなリニューアルは、本来全て取り壊しで行う改装よりも多くの時間を費やすことにはなったが、歴史的な趣を大切にしながらも最新の設備や快適さを導入したことで、ゲストにより深い安らぎと、贅沢な時間を提供できるようになったという。

趣の異なる2つの客室で和の風流を愉しむ

明治の英傑や数々の文人墨客が訪れた歴史ある松坂屋本店の中でも、「離れ」の洗心亭・仰光荘は皇室にゆかり深い客室だ。

廊下からリニューアルを行うことで、名の通り他の棟から離れた、より特別感ある造りと生まれ変わった。露天風呂に加え内風呂も設置。内風呂では好みで薬湯を楽しめる。

洗心亭は、1887年に松坂屋本店別荘・松鶴山荘として建てられ、1893年には東宮時代の大正天皇陛下が行啓・休憩された客室。二間続きの広々とした空間からは、野趣あふれる庭園と箱根の山々を一望できる。

仰光荘は、1923年に閑院宮載仁親王御一家が松鶴山荘に避暑をされた折、殿下の居間として増築した建物を、1931年(昭和6年)に移築した客室。開放的な縁側からは、緑鮮やかな庭園を臨める。

1925年に、三菱財閥の岩崎家別邸を移築した「春風荘」。6室あった客室を、若松・常磐・梢・雲井・曙の5室にし、メゾネットタイプの新客室も登場した。

松坂屋本店のこの度のリニューアルは、歴史ある同館をして、旅の目的地となって欲しいという想いが込められているという。

客室はもちろん、豊富な温泉、伝統的な和食、日本ならではの心に寄り添う接客を実践するという同館で、旅本来の感動を味わいたい。

松坂屋本店
所在地:神奈川県⾜柄下郡箱根町芦之湯57
公式サイト: https://kinnotake-resorts.com/matsuzakayahonten/

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000115.000097935.html

(高野晃彰)