茨城県行方市では、霞ヶ浦の夏から初冬にかけての風物詩として受け継がれる、観光帆引き船のすぐそばを伴走する見学船への一般乗船を12月1日(日)までの土・日で実施。申し込みを受け付けている。
広大な霞ヶ浦で、爽やかな風を巨大な真っ白の帆に受けながら進む帆引き船を鑑賞する貴重な体験とともに、湖上での束の間の時間旅行を楽しんでみよう。
140年の歴史を伝える観光帆引き船
霞ヶ浦は、琵琶湖に次いで日本で2番目に広い面積を持つ湖。豊かな自然に恵まれた環境は、多くの種類の魚や水生植物を育み、冬には多くの渡り鳥が飛来する。
そんな霞ヶ浦を舞台に、今年も観光帆引き船が操業する。明治から昭和にかけて霞ヶ浦の漁に使われていた帆引き船を、現在にも受け継ぐ、晩夏から初冬にかけての風物詩だ。
帆引き船は、もともとは観光用ではなく網漁法のために考案された。凧の原理を応用して巨大な帆を張り、風の力を受けて船を横流しすることで水中の網を引く漁法で、シラウオやワカサギの漁に使われた。
漁法としてはトロール船へと変わっていったが、1971年に観光帆引き船として復活。現在は、霞ヶ浦に面する行方市、土浦市、かすみがうら市の3市で夏から秋にかけて操業されている。2018年には「霞ヶ浦の帆引網漁の技術」として、国の選択無形民俗文化財に選定された。
随伴船に乗り帆引き船を見学・写真撮影
今回の見学船乗船企画では、湖上で帆を広げた帆引き船を、随伴船に乗って見学・写真撮影することができる。風を受けて大きくふくらんだ真っ白な帆の、時代を超越する機能美と、空と湖面の青色とのコントラストの美しさは、思わず息を飲むほどだ。
広大な霞ヶ浦でやさしい日差しと爽やかな風を受け、脈々と受け継がれてきた歴史を目の当たりにしながら過ごす時間は、まさにこの時期、その場所でしか体験できない貴重なひと時となるだろう。
今年の行方市の操業期間は、9月28日(土)から12月1日(日)までの毎週土曜日、日曜日となる。但し、土曜日は団体予約となるので注意しよう。
乗船場所は、広く霞ヶ浦が見渡せる麻生地区と、筑波山が良く見える玉造地区の2か所。乗船時間は、約40分から50分だ。
また、9月22日(日)には、行方市・土浦市・かすみがうら市の3市合同操業が行われる。乗船受付数には限りがあるので、参加希望者は早めに申し込もう。詳細は、行方市まちづくり推進機構の公式サイトから電話にて確認とのこと。
帆引き船は風の影響を受けやすいので、風が強すぎても弱すぎても帆を上げることができず、操業の可否は当日に確定となる。だが、帆引き船を長年にわたり追い続けている写真愛好家はもちろん、近年では映える写真を撮りに足を運ぶ人も増えているという。
天候に恵まれれば、霞ケ浦の湖上で美しい伝統の帆引き船に見惚れる非日常に大興奮できること間違いなしだ。
霞ヶ浦 観光帆引き船見学
操業期間:9月28日(土)~12月1日(日)/土曜・日曜 ※土曜は団体予約
麻生地区 乗船場所:天王崎観光交流センターコテラス内 古宿船溜(茨城県行方市麻生419-1)
玉造地区 乗船場所:行方市観光物産館こいこい裏 仮設受付所 霞ヶ浦ふれあいランド地先玉造桟橋(茨城県行方市玉造甲1963-5)
出航時刻:15時30分頃 ※予定
操業確定:11時(中止の時のみ電話連絡)
受付:13時開始 ※15:00までに要受付完了
料金:2,000円(当日現金払い)
行方市まちづくり推進機構公式サイト:https://namegata-machi.jp/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000063.000070989.html
(高野晃彰)