鎌倉のアートギャラリー HUG FOR_.にて、9月14日(土)から9月29日(日)まで、写真家・市川森一氏による個展「逃避考」を開催する。
また個展開催に合わせて、市川氏が写真集『Dis/ Association Game』を出版。ギャラリーでは、その掲載作品を同時に鑑賞することができる。
鎌倉にて写真家・市川森一氏の個展「逃避考」を開催
JR鎌倉駅西口から徒歩5分の位置にあるアートギャラリー・ HUG FOR_.。同ギャラリーでは、9月14日(土)から9月29日(日)の期間、東京都を拠点に活動する写真家・市川森一氏の個展「逃避考」を開催する。
同ギャラリーでは、市川氏の個展は初開催。期間中は、これまで市川氏が制作してきたシリーズである「Accumulated Times」「Idle Reverie」「Vortex of Light」「Garbage Patch」を発表する。
また同氏が、個展開催に合わせて出版する写真集『Dis/ Association Game』に掲載する作品の展示も行う。
さらに、HUG FOR_. では、個展に先駆け、9月4日(水)から9月11日(水)までは、プレビューとして、市川氏の作品を展示。
個展開催期間中の、9月14日(土)~9月16日(月・祝)の18時~22時は、ワインやドリンクを飲みながら作品鑑賞と交流を楽しむ「yakai」も開催する。鎌倉の秋の始まりとともに、市川市の写真が楽しめる。
日常のありふれたモノに新たな意味を持たせる作品
市川氏の作品づくりは独特だ。写真という媒体によって展開する作品群は、何気なく人々が日常的に見ているモノや使用しているモノ。
そうしたモノを題材に、不要/必要と識別しているモノの一般化された認識を一旦キャンセルさせ、別物へとイメージを転換させる装置のようだ。
すなわち、市川氏の覗くファインダーを通すと、日常のありふれたモノが新たな意味を持ち、鑑賞者はその瞬間に迫ることになる。
市川氏は作品の創意として、「ハンガーは洋服をかけるものであるが、孫の手代わりに使えるし、シャボン玉の輪っかにもなる。ハンガーの定義であれ、何かの主義であれ信念であれ、言い切ったことによって零れ落ちる何かは常にあって、ひねくれ者としてはそっちに惹かれてしまう。」と述べる。
そして「ホースにS字フックを突っ込んでみたり、 写真を何百回と折ってみたり、ゴミを拾ってみたり、白い箱を一年間定点観測してみたり。作品がどんな形をとるにせよ、私にとって制作とは大上段から逃げる実践だ。大文字の言葉が放つ光はとにかく眩しくて、惹きつけられる。それでもその明るさを手で遮りながら、暗いぬかるみの上で逡巡する現実逃避の贅沢と勇気を肯定していたいと思っている。」と語る。
市川氏にとって制作は自身の逃避先を作ることであり、その考えはすべてのシリーズの根幹になっているという。その逃避先は作品として昇華され、物質や現象に無数に孕む役回りを、鑑賞者も自由に想像がめぐる。
同氏の個展を通じて、造形的な可能性や余白、同時に色彩構成の美しさが広がる市川氏独自の世界に没入してみては。
Shinichi Ichikawa Photo Exhibition「逃避考」
会期:9月14日(土)~9月29日(日)
開廊時間:11時30分~18時 ※会期中無休
開催場所:HUG FOR_.
所在地:神奈川県鎌倉市由比ヶ浜1-1-29 今小路ビル2F
公式サイト:https://www.hugfor.com/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000139629.html
(高野晃彰)