日本有数の米どころであり、豪雪地帯でもある新潟県魚沼地域に位置する津南醸造。酒造の常識を覆し、食用米「魚沼産コシヒカリ」から日本酒を生み出すというユニークな製法に挑戦している。
先にヨーロッパで行われた日本酒品評会「Kura Master(クラマスター)2024」で金賞を受賞した純米大吟醸酒の国内販売が、満を持して始まった。
持続可能な酒造りに取り組む津南醸造
通常、日本酒は酒造好適米、いわゆる酒米から造られる。しかし酒米は酒造以外に応用することが難しく、コロナ禍のような社会情勢の影響を直に受け、生産者や酒蔵が大きなリスクを抱えているという。
一方、食用米ならいつでも生産を持続できる。地域の生産者とともに持続可能な酒造りを実現するため、魚沼産コシヒカリから日本酒を造ることを決意したのだという。
コシヒカリでは美味しい日本酒を造ることが難しいと言われるなか、手探りで試行錯誤を行った津南醸造。食用米が使われていた時代の日本酒製法なども参考にした。
そうやって生まれた「郷(GO)GRANDCLASS 魚沼コシヒカリEdition」が、前述の日本酒コンクール「Kura Master」へ出品された。
審査員はフランス人を中心とした、ヨーロッパの飲食業界のプロフェッショナルたち。すべてブラインドによるテイスティングが行われるなか、純米大吟醸部門で金賞を受賞するに至った。
豪雪と低温を活かした「郷(GO)GRANDCLASS」
日本酒としての「郷(GO)GRANDCLASS 魚沼コシヒカリEdition」の特徴は、華やかな香りとふくよかな口当たり。
豪雪地帯として知られる新潟だが、1月の津南町は積雪量が3mにもなる。外気温が低い状態で安定し、酒造りに適した環境となる。
厳しい寒さは余計な雑菌の繁殖を抑え、微生物がよい働きをする。低温でゆっくりと時間をかけて発酵させた「もろみ」は、繊細できめ細やかな風味を生み出す。
販売品の容量は720ml、アルコール度数15度で、価格は8,800円(税込)。専用桐箱とシリアルナンバー木札が付く。芳醇な香りを楽しむには、食前酒にするのがおすすめだという。
津南醸造では、今回の取り組みが食用米での酒造りの普及につながり、持続可能な農業&酒造の第一歩となることを期待している。
美味しいだけでなく、社会的な意義のある日本酒。雪深い秘境・津南から取り寄せてみるのはいかがだろうか。
津南醸造特設ページ:https://koshihikari.tsunan-sake.com/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000054865.html
(SAYA)