高効率な“曲がる太陽電池”を採用した、太陽光だけで1日16km走るEVが完成!

太陽光だけで走るEVが登場!次世代太陽電池で世界に挑戦するスタートアップPXP社は「曲がる太陽電池」を貼り付けたEVを作製した。

同EVは検証段階だが、太陽光だけで1日16kmの走行が可能とのことで、太陽電池を搭載した電気自動車の普及を期待させる一台となりそうだ。

「曲がる太陽電池」を採用した軽EV

同EVは極薄の金属箔基板に作製した「曲がる太陽電池」を、軽EVのルーフ上の2.0平米の面積に332枚貼り付け、太陽電池モジュールは総厚0.7mm、平米重量1.0kgで作製した。

同EVを開発したPXP社は、ペロブスカイト材料とカルコパイライト材料のタンデム構造を用いた高効率な「曲がる太陽電池」を研究開発しているが、実証EVでは、まずはカルコパイライト材料を用いて検証を行う。

現在、パイロットラインの立ち上げ調整中であるため、現時点では高い変換効率のカルコパイライト太陽電池を全数揃えることができていないが、先行して屋外走行テストを開始。

パイロットラインの立ち上げが完了次第、変換効率18%前後のカルコパイライト太陽電池を再搭載し、本格的に実発電量データを取得する予定だ。

意匠性の高さも魅力

「曲がる太陽電池」は、標準セルでは黒い太陽電池の表面に白い櫛状電極が形成されているため、やや意匠性が劣っていたが、新技術により漆黒の高意匠セルが実現した。これにより車のルーフとの一体感が増し、車のデザインを損なわずに搭載できるようになった。

設置面積が広くとれる

また、柔軟で自由に貼り合わせできる「曲がる太陽電池」が実現したことで、車のルーフの曲率が比較的大きな、外周領域まで搭載が可能となった。そのおかげで変換効率18%前後でも、十分な発電量を確保できるようになった。

太陽電池を搭載したEVの普及を目指す

最高技術責任者である杉本広紀氏は以下の通り話している。

「2.0平米の狭いルーフのEVに変換効率18%の太陽電池を搭載した場合でも、太陽光による発電量だけで1日16km走行可能となります。また、ルーフの広いEVの場合1日24km、太陽電池をタンデム化して変換効率が28%になれば、1日37km走行可能になります。これらを経済的に十分メリットのあるコストで導入可能とすることで、太陽電池を搭載したEVが飛躍的に普及すると期待しています。」

同EVは「第16回オートモーティブワールド」に出展予定で、まずは業界内で実証車を披露する。

さまざまな方面から注目を集めそうな同EV。今後の動向にも期待したい。

PXP社 公式サイト:https://pxpco.jp/

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000131866.html

(hachi)