1998年、長野オリンピック。メダルラッシュとなり多くの感動を生み出したが、スピードスケート・清水宏保選手が男子500mで金メダル、1000mで銅メダルという偉業を成し遂げたのは記憶に鮮やかだ。
その清水選手が11月16日(木)~19日(日)に愛知県豊田市で開催される世界ラリー選手権(WRCラリージャパン)ナショナルクラスにドライバー選手として参戦する。
清水宏保選手が自動車レースに転向して挑むWRC
氷上のスピード競技で世界一になった清水宏保選手が、公道自動車レースに挑戦する。ラリーをはじめたのは2021年で、わずか2年ほど前だというが、持ち前の「感性」を自動車ドライバーとして発揮し頭角を現している。
新たなキャリアのスタートは2021年7月、ラリー競技の入門であるトヨタ ガズー ラリーチャレンジへの参加だった。その後もラリー競技を重ね、競技ライセンスを国内A級から国際C-Rに昇格させ、今年は全日本ラリー選手権にも参戦しながら経験を積み上げている。まだ成長過程のドライバーといえるが、WRCという世界の頂点で戦うことを選択した。
車両は、日本国内の街中でよく見かける4ドアのトヨタ・ヤリス。ターボ過給のない1500cc、オートマチックだが、スポーツCVT制御によりエンジンが常時高回転、高出力を維持する仕様となっている。
安全装備を施すなどラリー仕様にはなっているが、保安基準に適合してナンバープレートもついた車両で、競技車=違法改造車のイメージを覆す。
コ・ドライバーは今年も共に走ってきた保井隆宏選手。海外経験も豊富な、頼れるパートナーである。
チーム名称はMUSCLERALLY(マッスルラリー)。監督・友田康治氏、マネージャー・小倉雅俊氏、チーフメカニック・大橋渡氏が脇を固める。
MUSCLERALLYチームは、アスリート出身者のラリー競技支援を行っており、現在は元フィギュアスケート選手・小塚崇彦選手もドライバーとして参加している。2024年以降も引き続きWRCを頂点に日本各地のラリー競技に参加する計画をもっている。
清水選手からは「スピードスケート種目においてオリンピックにも出場し金メダルも取ることができましたがレースへの夢は諦められませんでした。特にヨーロッパ遠征中にみたWRCへの憧れが強かったです。今回、ラリージャパン出場のチャンスを頂けたことに感謝申し上げます。ベストを尽くして頑張ります」というコメントが届いている。
日本国内競技大会と比べて走行距離も長く、完走することさえ難しいといわれるラリージャパン。まずは完走を通過点とし、世界に挑む。
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000060671.html
(SAYA)