イカロス出版は、怪談蒐集家・正木信太郎著『隠れ祓い師　有馬一の怪奇譚』を、7月19日（水）に発売した。

同書は、祓い師・有馬一氏に密着取材した、実際の怪奇現象と有馬氏にまつわる怪奇譚が収録されたものだ。

出版のきっかけは、正木信太郎氏の前著

主な著書に『神職怪談』『宿にまつわる怪異譚』『異職怪談〜特殊職業人が遭遇した26の怪異〜』『岩手の怖い話―坊やがいざなう死出の旅―』などがある怪談蒐集家の正木信太郎氏。

今回の著書『隠れ祓い師　有馬一の怪奇譚』が発売になったのは、正木氏が昨年にイカロス出版から上梓した前著『神職怪談～神主や巫女などが実際に経験した神社にまつわる怪異譚～』の取材時に、祓い師・有馬一氏と出会ったのがきっかけとなった。

祓い師とは、祓い屋とも称され、祓えない霊を対象にお祓いをし、心霊現象の解決を専門とする人のこと。同氏は実在の人物で、あるときは正攻法で、またあるときは邪道ともいえる奇策で悪霊と対峙しているという。

正木信太郎氏は『神職怪談』の取材時に、その有馬氏と出会った。『神職怪談』は神社で起きた怪異現象を神職に携わる人から集めた怪談本だが、その取材は難航を極めたという。それは、神域である神社に怪奇現象などあってはならないためで、神社関係者の口が堅かったからだ。

行き詰っていた正木氏は、友人を通じて有馬氏の存在を知る。それ以降の交流を通じ「有馬さんは本物」と確信した正木氏は、同氏に密着してその活動を一冊の本にまとめることを決意したという。

当初は、取材協力を拒否していたという有馬氏だが、最終的には正木氏の熱意を理解、協力を得ることができたという。では『隠れ祓い師　有馬一の怪奇譚』の中から気になる話しを紹介しよう。

公衆トイレで怪現象とその顛末を描く「祓い師　有馬 一」

とある公園の公衆トイレで怪現象が発生しているとの苦情があり、祓い師を呼んでお祓いをすることに。そのお祓いの場に有馬氏が現れ、あっと驚く方法で霊を祓うも、そのトイレにはかつて有馬氏が落としたある物が残されていた。

住宅街に暮らす女子高生の身に降りかかる怪現象「邂逅」

有馬氏とのアポ取りに成功した正木氏は同氏との面会を果し、ともに夜の東京都内の住宅街に向かう。そこでは高校生の娘に通常では考えられない現象が起きていて、有馬氏が祝詞を奏上し始めると、突如部屋の照明が消え、窓ガラスが割れて何かが侵入してきた。

この他にも、ある少年が動画サイトで見たお祓いを、同級生に行ったことで大変なことになり、有馬氏が呼ばれた「真似する少年と祓いの行き先」。

地鎮祭をして一軒家を立てたものの怪異が起こりお祓いをしても収束せず、調べた結果、地鎮祭に来ていた宮司に原因があることがわかった「新築の怪」。など、悪霊と対峙する祓い師・有馬一氏の怪奇譚8篇を収録している。

蒸し暑く寝苦しい夏の夜。リアルな『隠れ祓い師　有馬一の怪奇譚』を紐解いて、背筋がすっと寒くなるような思いを楽しんでみてはいかがだろう。

隠れ祓い師　有馬一の怪奇譚
著者名：正木信太郎
発行所：イカロス出版
発売日：販売中
体　裁：四六判・224ページ
定　価：1,870円（税込）
公式サイト：https://www.ikaros.jp/sales/list.php?srhm=0&tidx=104&Page=1&ID=5473

PR TIMES：https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005356.000005875.html

（高野晃彰）