銀座の「資生堂ギャラリー」では、8月29日(火)から10月15日(日)まで、日本を代表する写真家として国内外で活躍する石内都(いしうちみやこ)氏の個展「石内都 初めての東京は銀座だった」を開催する。
銀座らしい品々など、記憶とともにある「銀座」を写真で見られる展示となっている。
石内氏が撮り下ろした「銀座」の記録
資生堂の創業の地「銀座」は、常に最先端のモノや人が集まるモダンな街として注目され、伝統を継承しつつも新しい文化を取り入れながら発展してきた。
資生堂の企業文化誌『花椿』のウェブ版『ウェブ花椿』では、そんな銀座の過去と現在について考える「現代銀座考」を連載し、好評を博している。その第2章となる「銀座バラード」は、モノの記憶を映し出す石内氏の写真から、森岡督行氏が物語を紡ぐかたちで生まれた。
同展では、「銀座バラード」のために石内氏が撮り下ろした写真から、未発表のものも含む約30点のオリジナルプリントを紹介する。
銀座の名品を写真に
石内氏が最初に銀座を訪れたのは、1962年15歳の春だった。「銀座バラード」では、石内氏が現在も大切に保管し、銀座を訪れるきっかけとなった歌手のレコードや、月光荘で戦時中に製造・販売されていた絵具など、石内氏の記憶と結びつくものが登場する。
また、資生堂の初めての本格的な香水「香水 花椿」や、銀座や新橋の芸者から譲りうけた着物に明治時代に芸者衆から愛された新橋ブルー色を用いたスカジャン、銀座寿司幸の蛸引き包丁、ミタケボタンのアンティークボタン、銀座天一の天ぷら、銀座もとじの草履、壹番館洋服店の鋏、銀座ボーグの帽子、資生堂パーラーのオムライスなど、銀座の文化を作ってきた店舗を象徴する品々を写真に納めている。
このような作品から、我々が覚えていたい、忘れたくないと思う技術や、伝統、誇りなどを感じとることができるのではないだろうか。
国際的な写真賞を受賞している石内都氏
石内都氏は、1947年群馬県桐生市生まれ。神奈川県横須賀市で育つ。
1979年、初期三部作のひとつ「APARTMENT」で、第4回「木村伊兵衛写真賞」を受賞。2005年には、母の遺品を撮影した「Mother’s 2000-2005 未来の刻印」で、第51回ヴェネチア・ビエンナーレの日本代表に選出されてから、世界的に注目を集めるようになった。また、2014年には、写真界のノーベル賞と言われる「ハッセルブラッド国際写真賞」を受賞している。
その活躍から、女性アーティストを牽引する存在でもあり、自然体で揺るがないライフスタイルは、作品とともに幅広い層からの共感を得ている。
2023年は、関東大震災から100年という節目の年にあたる。銀座はその歴史を通じ、大きな震災や戦禍から蘇ってきた復興の象徴ともいえる街でもある。
変化していく銀座で石内氏が捉えた品々から、さまざまな記憶や物語を想像しながら銀座の魅力に改めて気づくことができる展覧会となりそうだ。
石内都 初めての東京は銀座だった
会期:8月29日(火)~10月15日(日)
会場:資生堂ギャラリー
所在地:東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
営業時間:平日11:00~19:00/日・祝11:00~18:00
定休日:毎週月曜日(月曜日が休日の場合も休館)
料金:入場無料
公式サイト:https://gallery.shiseido.com/jp/?rt_pr=trn65
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002446.000005794.html
(田原昌)