手に合う箸の長さは一咫半(ひとあたはん)?箸のパーソナライズサービス「itten」に聞いた理想のマイ箸

日本人がほぼ一生使い続ける道具、そのひとつは “箸” ではないだろうか。

自宅に “マイ箸” がある人がほとんどで、箸専門店を訪れる人もいる。しかし、自分の手のサイズに合わせたオーダーメイド箸を持っている人は、そう多くないだろう。

手のひらから最適な長さを計測し、本当に手に馴染む一膳を届ける箸のパーソナライズサービス「itten(イッテン)」を展開するみらいきれい社に、 “理想の箸” について聞いてみた。

箸は江戸時代から長さが変わっていない!?

「実は、箸の長さは江戸時代から変わっていないってご存知でしたか?」

そう話すのは、みらいきれい社のitten事業部部長・西村氏だ。市販の箸のほとんどは、女性用は長さ21cmで、男性用は23cmと、江戸時代からほぼ変わっていないという。

自宅で過ごす時間が長くなったコロナ下で、同社代表の石渡氏が新規事業として立ち上げたのが「itten」だった。

「現代人は江戸時代の人と比べて、男女ともに身長が15cmほど伸びています。だからこそ、お箸も現代人に合わせたものにすべきだと弊社は考えました」(西村氏)

なお、理想の箸の長さは江戸時代から決まっていて、「一咫半(ひとあたはん)」とされている。一咫半は、親指と人さし指を90度に広げた長さの1.5倍だ。

「itten」は、個人によって異なるこの一咫半を計測し、長さ18.0cmから27.0cmの間で、ミリ単位で長さを調整した箸を製造している。

ネットから注文すると、まず自宅に計測シートと木材サンプルが入った「お箸キット」が届く。シートに手を当ててスマホで計測。希望する木材とあわせて発注すると、3週間程度で完成品が届く流れだ。

全国の箸を取り寄せ、試作を繰り返して完成

箸の形状は三角形。持ち心地とつかみやすさにこだわった結果、最も手にフィットするこの形状になったという。

「理想的な箸を追求するために、全国各地から高級箸を100膳ほど取り寄せて、代表の石渡含め、社員で使ってみたんです。それぞれの家族にも試してもらいました」(西村氏)

試作も繰り返した。サンプルを作っては使う日々が半年以上続いた。その日々の中で得た気づきは、「大事なのは長さだけではない」こと。たとえば重さ、質感、色味。香りも気づきの一つだった。

「木材を箸の形に削っていく際、甘い香りやハッカのような香りなど、木材の種類によって香りが大きく異なります。市販の箸の多くは漆加工されていることが多く、香りを楽しむことはできませんが、ittenは木の香りも楽しんでいただけるようにお作りしています」(西村氏)

実際にittenを購入した人に向けて同社が行った使用感アンケートでは、86.6%(*1)の人が「既存の箸よりも使いやすい」と回答したという。

木の質感にもこだわった5種類の素材を提案

「itten」の箸は、5種類の木材の中から選ぶことができる。

高級銘木の黒檀はシックで硬く、重みがある。赤味のあるパドウクは経年変化も楽しめる木材。ほか、ナチュラルカラーが好きな人向きのホワイトアッシュやチーク、アンティーク感のある風合いを持つアフリカ産の木材・サペリがある。

価格は1膳セットが19,500円で、2膳セットが34,000円。家族で箸を揃えたいという要望から、3膳、4膳、5膳セットも用意している。

より幅広いパーソナライズ化とアイテム展開を予定

今後「itten」は、ファミリーからのニーズに応えた新しいシリーズを展開する。

「現在の『itten』の箸は先が細くなっているため、お子様の使用はお控えくださるようお願いしております。ですが、お客様からの声に応えて、5才くらいからのお子様でも使える箸を開発中です。今夏から秋頃のリリースを予定しています。

ittenには1点物の文化を広めたいという想いがあり、今後は手のサイズに合ったグラスや茶碗などの横展開も考えています。日常生活に欠かせない雑貨をパーソナライズすることで、“特別な暮らし”を提案したいと思います」(西村氏)

「しっくり」という言葉があるが、人も道具もしっくりくるのが一番だ。毎日使う箸だからこそ、一点物を作る価値がある。食にこだわりがある人に贈っても、きっと喜ばれるだろう。

「itten」公式販売サイト:https://itten.shop/lp/index.html

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000119464.html

(IGNITE編集部)

*1 N=75名によるアンケート結果より
※価格は全て税込