この世のどこにも存在しない、幻想世界を描いた絵画のような写真の数々。
写真家・野波浩(のなみひろし)氏のオリジナル写真集『ECLIPSE(エクリプス)』発刊に向けたクラウドファンディングが、静かな熱気を生み出している。
支援者が120名を突破したことを記念し、新たに「個展JANUS出展作品」がリターンとして追加された。5月26日(金)まで募集が行われている。
野波浩氏16年ぶりのオリジナル作品集『ECLIPSE』
現実と空想との境界線がわからなくなるような、幻想的で耽美的な写真で知られる野波浩氏。
独特の空気をまとう野波氏の作品は劇団関係者や音楽アーティストから熱烈に支持され、これまでLUNA SEAの『ZOE』(1995)、江角マキコ氏の『E-MODE』(1999)、劇団☆新感線の『婆娑羅』(2015)など数々の写真集を手がけている。
今回企画されている『ECLIPSE』は、2007年から2022年に至る16年間の活動の集大成となる。ECLIPSEとは、月食や日食など天体が別の天体の動きによって隠される天文現象「食」を指す。
全128ページのなかに写真88点を収め、定価は5,500円(税込)。先着順で「超早得」などが適用される今回のクラウドファンディングが最安値となる。
「光と影の間に存在する心象」「生と死の境にひそむ真理」を鮮烈に捉えた野波氏の作品。16年の間には、フイルム時代の終焉から、デジタルへの移行や融合という変化があった。時代の変化に伴う作品の移り変わりをも、つぶさに記録した写真集となる。
プロジェクトの背景にある熱い思い
プロジェクトの背景には、ひとりの女性の熱意がある。かつて野波氏の写真で人生を救われたという、ミュージカル制作チーム「神月プロジェクト」代表の石井ひとみ氏が出版企画をスタート。
宝田芸術学園卒業後、劇団薔薇座の演出部、劇団未来座などで研鑽を積んだ石井氏だが、かつて舞台制作の仕事で落ち込んでいた際、偶然出会った野波氏の写真集に勇気づけられ、立ち直った経験があるという。
「初めて見た先生の作品はどこか儚く切なげで、美しく、心惹きつけられ、そして心癒されました」と語る石井氏。
今回の出版企画では野波氏への「恩返し」を掲げ、発行人としてプロジェクトを推進している。
ところが、1年をかけ出版の準備を進めてきたなか、世界情勢の変化で印刷関連資材が約30%も高騰し資金不足に。そこでクラウドファンディングを立ち上げ、資金調達に奮闘している。
目標とするのは世の中に一定のインパクトを与えられる「3,000部」の写真集発行や個展開催だ。神戸のビジネス支援拠点「エリンサーブ」がこの取り込みをバックアップする。
自らの経験から、この写真集が世界に届くことの意義を強く信じている石井氏。ファンならもちろんのこと、野波浩氏の作品に初めて触れる人も、1冊を手に取ってみるのはいかがだろうか。
野波浩写真集『ECLIPSE』クラウドファンディング
期間:実施中~5月26日(金)
仕様:245×310mm、本文128ページ、写真88点
定価:5,500円(税込)
プロジェクトページ:https://camp-fire.jp/projects/view/651463
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000120751.html
(SAYA)