次世代を担うクリエイターの育成に取り組む「クマ財団」が、若手クリエイターを紹介するシリーズ企画「KUMA experiment」の第7弾として、企画展「生を読む」を2月4日(土)から12日(日)の期間に東京・六本木で開催する。
新たなアート界の担い手の作品に注目だ。
6名の若手クリエイターの作品を集めた「生を読む」
2010年以降、地球温暖化やパンデミックなど、人間を取り巻く地球環境は大きく変化している。その自律性は、これまでの人間を主体とする世界観に影響を与えてきた。
建築が人の体を変容させ、化学物質が人間の寿命よりも遥かに長く地球に残存するように、世界においては人だけでないあらゆる存在が表象の主体となる。
同展ではこうした議論を踏まえ、人と生物、物質などの複数の主体が交わる境界空間に着目。生にまつわるさまざまな事象について多面的な視点からアプローチする。
同展には6名のクリエイターが参加する。それぞれ紹介したい。
「土に還るアート」をテーマに作品を手がける池辺ヒロト氏
池辺ヒロト氏は、多摩美術大学で学ぶ若手アーティスト。日本を含めた世界各地に存在する民族の内包する文化、習慣、信仰などの蓄積された記憶からインスピレーションを受け、「土に還るアート」をテーマに、日本に古来から存在する素材・技法とテクノロジーを組み合わせたテキスタイルアートの制作を行う。
日本文化にフォーカスを当てる後藤光利氏
1998年生まれのクリエイター・後藤光利氏は、日本文化を尊重し、新たな美意識の発露を目的とした制作を行っている。また、歴史の積層を認識し、アイデンティティーの形成を行っているのも彼の作品の特徴だ。
人間の自己感覚の柔軟さを研究する高田一真氏
高田一真氏は現在、沖縄科学技術大学院大学に在籍する学生。彼はHuman-Conmputer Interaction、身体性認知科学の観点から、人々が持つ自己感覚の柔軟さについて研究している。
身体的建築を追求する樋口紗矢氏
樋口紗矢氏は、“現象”を手がかりとし、感覚から生まれる身体的建築を追求している人物。九州大学大学院で建築意匠学を学ぶ優秀なクリエイターだ。
「サイボーグ」を再定義するMaya Masuda氏
人間とテクノロジー、モノや動物などの脆弱性に注目し「サイボーグ」を再定義する活動を行っているMaya Masuda氏。「New Media in Abjection」を主題にしたその活動と作品に注目したい。
「浄化」をテーマに陶芸作品を手がける森聖華氏
森聖華氏は、東京藝術大学大学院で学ぶ学生。自然豊かな土地で育った経験を背景に、生物を用いて「浄化」をテーマに陶芸作品を制作する。
次世代を担う若手クリエイターの作品は、観る人に良い刺激を与えてくれそうだ。
生を読む
会期:2月4日(土)〜12(日)※火・水曜日は休館
会場:クマ財団ギャラリー
所在地:東京都港区六本木7-21-24 THE MODULE roppongi206
開館時間:12時〜19時
入場料:無料
公式WEBページ:https://kuma-foundation.org/gallery/event/kuma-experiment22-07/
(IKKI)