東京・銀座のRICOH ART GALLERY閉廊!ラストを飾るのは名和晃平氏の個展「Focus」

今年の12月をもって閉廊する、東京・銀座の「RICOH ART GALLERY(リコーアートギャラリー)」。

これまでの活動を締めくくる展覧会として、名和晃平氏の個展「Focus」が12月13日(火)から開催される。

RICOH ART GALLERYで「名和晃平個展 Focus」開催

彫刻家として世界的に活躍する名和晃平氏。

彼は自身の創作のルーツの一つとして、幼少期の天体観測の記憶と、そこから派生した天文や物理への興味を挙げている。

実際にこれまでも、彼は重力をはじめとした「世界をかたちづくる不可視の力」をたびたび作品のテーマとしてきた。

今回はUVプリントという、平面と立体、版画と立体造形の中間的な質感を持つメディアを用いることで、情報と物質の境界的な存在としてこれを表現。

作品を構成する黒一色のインクの塊には、星々の光やその間に働く万有引力、それを観測する人間のパースペクティブ、そして彼らが立つ大地を形成した地球の運動といった、力の無数の側面が取り出されている。

画面上で立体層を繊細かつリズミカルに造形することにより、強い視覚効果や物質性を生み出し、平面作品でありながら三次元性を感じさせる彫刻的な面を持つ作品に仕上げた。

さまざまな知覚体験を生み出す名和晃平氏

名和氏は、感覚に接続するインターフェイスとして、彫刻の「表皮」に着目。セル(細胞・粒)という概念を機軸として、2002年に情報化時代を象徴する作品「PixCell」を発表した。

以降も、生命と宇宙、感性とテクノロジーの関係をテーマに、重力で描くペインティング「Direction」やシリコーンオイルが空間に降り注ぐ「Force」、液面に現れる泡とグリッドの「Biomatrix」、そして泡そのものが巨大なボリュームに成長する「Foam」などを発表。彫刻の定義を柔軟に解釈し、鑑賞者に素材の物性がひらかれてくるような知覚体験を生み出してきた。

近年では、アートパビリオン「洸庭」など、建築のプロジェクトにも参加。

さらに、2015年以降はベルギーの振付家兼ダンサーのダミアン・ジャレ氏との協働によるパフォーマンス作品「VESSEL」を国内外で公演している。

2018年には、フランス・ルーヴル美術館ピラミッド内にて彫刻作品「Throne」を特別展示した。

「RICOH ART GALLERY」の締めくくりを飾るにふさわしい、世界で活躍する名和氏の貴重な作品をその目で確かめてみては。

RICOH ART GALLERY「名和晃平個展 Focus」
会期:12月13日(火)~24日(土)
時間:12時~19時 ※最終日は18時終了
会場:RICOH ART GALLERY
所在地:東京都中央区銀座5-7-2 三愛ドリームセンター8F/9F
休廊日:日曜、月曜、祝日
詳細ページ:https://artgallery.ricoh.com/exhibitions/koheinawa_focus
※新型コロナウイルス感染防止に伴い、営業時間・会期は前後する可能性あり

(IKKI)