いよいよ来月はクリスマス。カトリック教信者が多いイタリアにとっては、これからが一年で最も重要なシーズンといえる。伝統的なスタイルのイベントが数多く催されるこの時期は、イタリアを訪れるには最高のタイミングだ。
今回の記事では、イタリア政府観光局から発表されている、各地の冬シーズンのイベントや愉しみ方について紹介しよう。
ウンブリア州で世界最大のツリーを鑑賞しよう
イタリア中部、ローマ~フィレンツェ間に広がるウンブリア州。
中世の絵画から抜け出てきたような風光明媚な村、ブドウ畑、オリーブ畑に囲まれ、湖畔には自転車道も整備されているトラジメーノ湖は、日本人にはまだあまり知られていない観光スポットといえる。
毎年冬に開催されるイベント「トラジメーノの光(Luci su Trasimeno)」では、湖の水面に全長1,080メートル、幅50メートルという、水上に設置されるものとしては世界最大のクリスマス・ツリー形状の照明が登場。さらに期間中は、湖から近い「世界で最も美しい村のひとつ」とされるカスティリオーネ・デル・ラーゴでさまざまなイベントが開催される。本年のイベント期間は12月8日(木)から1月8日(日)まで。
中世の雰囲気を濃く残すウンブリア州中部の街、グッビオには毎冬、ギネスブックに「世界最大」として正式登録されているクリスマス・ツリーが出現。街を見下ろす標高827メートルのインジーノ山の山腹に700以上の電球を使って描き出されるツリーの高さは約650メートル、幅は350メートルあり、毎年12月上旬から1月上旬にかけて荘厳な輝きを放つ。
グッビオの街の広場では、ホット・ワインやチョコレートなどを販売する屋台が軒を連ねるクリスマス・マーケットも登場する。
ヴァッレ・ダオスタ州で絶景とウィンタースポーツを満喫
続いて、イタリア北西部のヴァッレ・ダオスタ州について紹介しよう。
モンテ・ビアンコ(モンブラン)やチェルビーノ山(マッターホルン)などの名峰の半分はイタリアに広がっており、クールマユールやチェルヴィニアといったイタリア側のリゾート地からは、山脈の絶景やスキーを楽しむことができる。
クールマユールからは最新鋭のロープーウェイ「スカイウェイ・モンテ・ビアンコ」がモンテ・ビアンコ山頂近くまで運行されており、またクールマユールからほど近いプレ・サン・ディディエールでは雪景色を眺めながらの温泉も楽しめる。
州都のアオスタは、古代ローマ時代から「アルプスのローマ」として知られた軍事上の重要地点で、今でも多くの遺跡が残っている。そんなアオスタでは現在、ロンカス広場や大聖堂広場にクリスマス・マーケットが開設され、街自体が華やかな雰囲気に。
州内屈指のリゾート地であるクールマユールでは、クリスマス・シーズンの到来を告げるツリーの点灯式が12月8日(木)に開催。街内の至る所に設置された15本のツリーに順次灯りが点き、その後中心街のアベ・ヘンリー広場にある大型ツリーがライトアップされる壮大なイルミネーション・ショーは一見の価値あり。
「Welcome Winter」と題されたこのイベントでは、有名アーティストによるコンサートも開催される。
厳かに、そして華やかに彩られるイタリアのクリスマスを満喫してみては。
イタリア政府観光局公式WEBページ:https://visitaly.jp/
(IKKI)