現代アートと天才アートがコラボした大本山妙蓮寺「いちにちの世界の彩度と透明度と寺宝の虫干し展」

現在、京都の西陣にある本門法華宗の大本山妙蓮寺で「いちにちの世界の彩度と透明度と寺宝の虫干し展」が開催されている。

今だからこそわかる、2020年以前にあった“自然”や“社会活動”の尊さを知れる展覧会だ。

京都で「いちにちの世界の彩度と透明度と寺宝の虫干し展」を開催

今年は2020年以降、初めてとなる行動制限のない夏が訪れ、海開きや花火大会などが開催された。新緑や紅葉、お祭りと、世界を構成している自然や社会活動のありがたさを感じた人も多かっただろう。

2020年以前は普通に享受できていた世界のありがたさ。そんな尊い感覚を“いちにちの時間”の経過の中で視覚的に表現するため、今回、「いちにちの世界の彩度と透明度と寺宝の虫干し展」が開催される運びとなった。

ガラスを使った世界にひとつの生活工芸作品、色彩豊かに世界を描いた作品。

今回の展覧会では、それらを自然光と無数の鏡をつかって、1日の時間の経過とともに変化する空間の中で鑑賞できるよう工夫している。

ガラス彫刻作品と「天才アート」の作品がコラボレーション

中でも見どころは、稀代のクリエーターだった本阿弥光悦の血を引く本阿弥家の末裔・本阿弥匠氏によるガラス彫刻の現代アート作品と、西陣で障碍者支援を行う「天才アート」とのコラボレーション。どちらも個性豊かな作品ながら、寺の静かな空間と調和している様は「見事」のひと言だ。

本阿弥匠氏「境界線 border line」

本阿弥匠氏「境界線 border line」

本阿弥匠氏「円 掛花入」

本阿弥匠氏「円 掛花入」

本阿弥匠氏「OTO 音」

本阿弥匠氏「OTO 音」

いしいこうた氏(天才アート)

いしいこうた氏(天才アート)

高橋美佳氏氏(天才アート)

高橋美佳氏(天才アート)

ゲシュタルト崩壊フラグ氏(天才アート)

ゲシュタルト崩壊フラグ氏(天才アート)

本堂で妙蓮寺の貴重な寺宝を公開

また、12月3日(土)、4日(日)には、妙蓮寺の寺宝が一堂に会する「寺宝の虫干し展」を開催。狩野派の掛け軸、本阿弥光悦氏が筆をとった『立正安国論』など、さまざまな文化財を公開する。普段は公開されていない本堂が会場となっている点にも注目だ。

鮮やかな世界を享受できた2022年の日本。当時、人々の胸にあった豊かな感情を心に呼び戻してくれるような、貴重な展覧会となりそうな予感だ。

いちにちの世界の彩度と透明度と寺宝の虫干し展
期間:開催中〜12月4日(日)※11月30日(水)休館
時間:10時〜16時(最終受付)
会場:大本山妙蓮寺
所在地:京都府京都市上京区妙蓮寺前町875
拝観料:800円ほか

※12月3日(土)、4日(日)のみ、本堂で「寺宝の虫干し展」開催(追加料金なし)
※開催期間中も急遽、寺の行事などで休館になる場合あり

(IKKI)