大佛次郎記念館が秋の和室公開!額縁のような窓から眺める横浜港と紅葉のコラボレーション

山や渓谷で仰ぎ見る紅葉も捨てがたいが、どこかに腰を落ち着けて、その場の雰囲気とともに味わう紅葉もまた風情があるものだ。

横浜市中区、港の見える丘公園内にある「大佛次郎(おさらぎじろう)記念館」で秋の和室公開が行われる。11月25日(金)から12月15日(木)までの間、施設貸出のない日に限り、入館料のみで誰でも入室可能だ。

横浜生まれの作家・大佛次郎氏の記念館

『パリ燃ゆ』『鞍馬天狗』などで知られる横浜生まれの作家・大佛次郎氏。港の見える丘公園で、ひときわ目立つ赤レンガの建物が大佛次郎記念館だ。

同館は昭和53年、遺族から蔵書や遺品の寄贈を受けてオープン。開港期の横浜を彷彿させる洋風の建物は、レンガの赤、ガラスの青、大理石の白とトリコロールになっており、同氏と縁が深かったフランス国旗の色調だ。

自筆原稿などの貴重な資料のほか、台本、地図、美術品といった関連資料、遺品など約13,000点を収蔵。寄贈された図書を含めると総計約70,000点に及ぶという。

館内には展示室やギャラリーに加え、大佛次郎夫人が小説のタイトルにちなんで名づけた「ティールーム霧笛」もある。

猫好きで知られ、生涯にわたって多数の猫と暮らした同氏の面影を館内随所で感じられる。猫をモチーフにした愛用品や、コレクターズアイテムが見られるという。

このように大佛氏の業績や生涯を伝える資料館としての役割を果たす大佛次郎記念館だが、もうひとつの顔がある。会議室や和室を広く貸し出し、活動の場となっている側面だ。

とりわけ空薫物(そらだきもの)の香りが漂う和室は、茶会などの場として愛されている。普段は有料貸出施設として利用者のみが入室できる和室を、桜と紅葉のシーズンに限って一般公開する。

趣ある和室で文学と紅葉に親しむ

現在のところ11月27日(日)、28日(月)、12月3日(土)、5日(月)、10日(土)、11(日)、12日(月)は非公開になるほか、貸出状況によっては新たに非公開となる日もある。

また、新型コロナウィルス感染症の拡大状況によっては、予定を変更する場合があるため来館前に公式サイトで最新の状況を確認してほしい。

入館には和室公開・展示共通で200円が必要。せっかく来館したなら、紅葉観賞だけでなくぜひとも展示を見ていこう。横浜をこよなく愛した大佛次郎氏の足跡をたどれるだろう。12月13日(火)~15日(木)は、大佛氏の俳句パネルを展示する予定もある。

大佛次郎記念館
所在地:神奈川県横浜市中区山手町113
開館時間:10時00分~17時00分(最終入館16時30分)
休館日:月曜(月曜が祝休日の場合は翌平日)
入館料:一般200円、中学生以下無料(和室公開・展示共通)
公式サイト:http://osaragi.yafjp.org/

(SAYA)