東京・渋谷で開かれる塚本暁宣氏の個展「FRONTIER」で新たなポップアートの世界を楽しむ

人気キャラクターをキュビズムの手法でユーモラスに描く。

11月27日(日)から12月5日(月)の期間中、アーティスト・塚本暁宣氏による個展「FRONTIER」が、渋谷二丁目のオルタナティブスペース「elephant STUDIO(エレファントスタジオ)」にて開催される。プロデュースはアートプロジェクトプロデュース集団「WATOWA GALLERY(ワトワギャラリー)」だ。

アーティスト・塚本暁宣氏による個展「FRONTIER」

塚本氏は、アニメやカートゥーンに登場する人気キャラクターを、キュビズムやシュルレアリスムの技法を用いてユーモラスに描き出すアーティストだ。

2016年から2020年にかけ滞在していたアメリカでニューヨークポップアートに影響を受け、「サンプリング」の手法でさまざまな表現方法をミックスし、独自の作品を発表している。

同展では、これまでにも人気を博してきた「ニューキュビズム」シリーズを、即興画や背景画などの要素を加えた新たな表現方法でアップデートした作品を発表。インスタレーションのようにレイアウトするなど、新たな表現方法に挑戦することで、タイトルでもある“フロンティア(境界)”を超えていくことを目指す展示となる。

多くの人を魅了する塚本氏の作品

同氏はキャラクターが持つ特徴や性質を解体し、見落とされていた側面を浮かびあげ、美術の歴史の中で繰り広げられてきた多様なモノの見方と組み合わせ、ユーモアを絵画の中で繰り広げることで「画家」という存在を体現している。

「サンプリング」の手法はポップアートの代表的な要素だ。

塚本氏自身、影響を受けた作家としてゲルハルト・リヒター氏、ピカソ、ゴヤ、マックス・エルンスト、村上隆氏を挙げている。そうした美術の歴史に名前を刻む作家の作品の手法を解釈し、転用し、画面上でミックスすることで、塚本氏は複雑な要素をも一つの作品に昇華させているのだ。

美術やカルチャーを文脈から切り離し、それぞれの素材が持つ魅力を再発見するように構成する制作は「ポップそのもの」と言えるだろう。

現代はあらゆるカルチャーにおいて、ヴィンテージアイテムやアーカイブを自由にサンプリングすることが当たり前になっている。そんな中、塚本氏の作品は新旧の動的なイメージを、美術史の力を借りることで新しい美学へと発展させていると言えるのではないだろうか。

絵画の中でキャラクターと共に繰り広げられる、新たなポップアートの世界を楽しんでほしい。

AKI TSUKAMOTO SOLO EXHIBITION “FRONTIER”
会期:11月27日(日)~12月5日(月)
開廊時間:12時~19時
会場:elephant STUDIO 1、2F
所在地:東京都渋谷区渋谷2-7-4
観覧料:500円(税込)~ ※来場は事前予約制/11月30日(水)は観覧無料
予約ページ:https://artsticker.app/events/1875

(IKKI)