神奈川県箱根町にあるポーラ美術館が、「静物、ボーン・エステート」をふくむヴォルフガング・ティルマンス氏の写真作品全10点と、草間彌生氏の立体作品「ベッド、水玉強迫」を新たに収蔵した。
来年1月28日(土)~7月2日(日)に開催する「部屋のみる夢―ボナールからティルマンス、現代の作家まで」展にて、初公開される。
ヴォルフガング・ティルマンス氏と草間彌生氏
ヴォルフガング・ティルマンス氏は、デビュー当時から今日に至るまで、写真表現の可能性を更新し続ける、現代を代表するアーティスト。
今回の新収蔵作品は、生活を営む部屋や、制作現場となるアトリエの窓から射し込む光の様相をとらえたものだ。これらの作品群は作家のキャリアにおいても重要な位置を占めるだけではなく、光にまつわる従来のコレクションにも新たな広がりをもたらす。
日本を代表するアーティストである草間彌生氏は、半世紀以上に渡って国際的なアートシーンの第一線で活躍を続けている。近代以降の女性アーティストたちの表現を辿るという観点においても、今回収蔵した作品は重要な役割を担うことになる。
「部屋のみる夢―ボナールからティルマンス、現代の作家まで」展にて初公開
今回の新収蔵作品は、来年1月開幕の「部屋のみる夢―ボナールからティルマンス、現代の作家まで」展にて初公開する。
パンデミック以降、大きく変化した私たちの生活様式。移動が制限された状況で誰もが多くの時間を過ごしたのが、「部屋」という空間だ。
安心をもたらす室内での生活は、外の世界からの隔絶がゆえに閉塞感と隣り合わせのもの。他方、閉じられた空間で紡がれた親しい人たちやかけがえのないものとの関係は、日常を生き抜くためだけではなく、変化の乏しい生活に彩りを添えるのに、欠かせないものであったと言えるだろう。
同展覧会では、19世紀から現代に至るまでの、部屋にまつわる表現に特徴のある作家を取り上げ、この小さな世界のなかで織りなされる親密な記憶や夢想のありようを、あらためて見つめ直す。
個性にあふれた作家たちによる多彩な室内の表現は、ステイホームの経験を通じて静かに変容した私たちの心のなかで、新たな像を結び始めるに違いない。
部屋のみる夢―ボナールからティルマンス、現代の作家まで
会期:2023年1月28日(土)〜7月2日(日)会期中無休
会場:ポーラ美術館 展示室1,3
所在地:神奈川県⾜柄下郡箱根町仙⽯原⼩塚⼭1285
展覧会詳細:https://www.polamuseum.or.jp/exhibition/20230128c01/
(akihiro takeji)