大地本来の力強さを感じる、デザイナー進藤篤氏と織部製陶のコラボにより生まれた照明器具「DIG-DUG」

大地と炎を想起させるインテリアとは。

新進気鋭のデザイナー・進藤篤氏と、オーダーメイドに特化したタイルメーカー・織部製陶がコラボレーション作品「DIG-DUG(ディグ ダグ)」を発表。10月30日(日)までブルーボトルコーヒー 六本木カフェにて同作の展示会が開催されている。

大地の力強さそのものを眺める「DIG-DUG」

「DIG-DUG」は、大地をくり抜いたような造形と、土の質感が印象的な煉瓦の照明器具だ。

今回の作品を創るにあたり、絶妙な色味や質感で“大地本来の力強さ”を表現するため、織部製陶独自の技術である「クレイマイスター仕上」と呼ばれる手法を採用。製造工程で1点1点に手を加えることで、工芸品とも言える固有の趣が生まれた。

形成した陶土を48時間乾燥させたのち、全長50mの連続窯を通し、1320度の高温還元焼成窯で48時間かけて焼き上げる。こうすることで、独特の風合いをまとい、土と炎の力強さが宿るオブジェクトが生まれるのだ。

イベントでは、煉瓦を彷彿とさせる赤色の「AKANE」、大地本来の土の色味を生かした茶色の「KOGARE」、そして黒色の陶土をまとった「YORU」の3点が展示される。

デザイナー進藤篤氏のコメント

今回の作品について、進藤篤氏は次のようにコメントしている。

「久しぶりに土を触ったとき、表面のひやっとする冷たさの奥に、穏やかな暖かさを感じた。それは地球の一部としての大地の輪郭に触れたような、底知れぬ奥行と、母なる大地の優しさを垣間見たのかもしれない。

陶器(煉瓦)を使った作品を創ろうと思い立ったとき、最初に浮かんだイメージは“大地そのものを掘り起こす”というアイデアでした。

陶器の本来の素材である土(大地)に立ち返り、そのずっしりとした重さや、しっとりと冷たくも暖かい質感を手に触れられる造形で残したいという思いから、極力シンプルなデザインにしたいと思いました。

それは、1960年代後半から70年代前半にかけての美術界における“もの派”での関根伸夫さんの作品『位相一大地』に通ずる考え方であり、本作はそのオマージュとも言えます。

ライティングオブジェクトとして、本作では台座を金属で制作し、その内部にLED照明を仕込んでいます。光の色合いは黄色に近く、土の色味と合わさることでより濃く、深いオレンジ色の温かみのある光の色彩となります。

これは焼成のプロセスの中での1320度もの高温になる“炎の力強さ”にも通じます」

炎と土の息吹を、照明器具「DIG-DUG」を通して感じてみては。

DIG-DUG展覧会
会期:開催中~10月30日(日)
時間:8時~20時
会場:BLUE BOTTLE COFFEE ROPPONGI CAFE(ブルーボトルコーヒー 六本木カフェ)
所在地:東京都港区六本木7-7-7
入場料:無料
※アートイベント「DESIGNART TOKYO 2022」の一環として開催

DESIGNART TOKYO 2022詳細:https://designart.jp/designarttokyo2022

(IKKI)