写真家・溝縁ひろし氏の活動50年を記念して「溝縁ひろし写真展 昭和の祇園~花街とともに~」を開催

京都の花街を撮り続ける写真家・溝縁ひろし氏の活動50年を記念する写真展「溝縁ひろし写真展 昭和の祇園~花街とともに~」が、美術館「えき」KYOTOにて2023年1月2日(月)~29日(日)の期間、開催される。

同展へ訪れ、溝縁氏が昭和48(1973)年から撮り始めた「昭和の祇園」の写真の中に、ノスタルジーを感じてみては。

花街と祇園町の日常風景を写す写真家

京都在住の写真家、溝縁ひろし氏(1949年-香川県生まれ)は、大学卒業と同時に、就職を機に京都へ移り住む。昭和48(1973)年のある日、夕暮れ時の四条花見小路で初めて出会った「舞妓」に心奪われたという。

「舞妓と白川女」昭和56(1981)年 ©Hiroshi Mizobuchi

「舞妓と白川女」昭和56(1981)年 ©Hiroshi Mizobuchi

一瞬にして別世界へ連れて行かれたその不思議な感覚、余韻はその後も消えることなく、仕事が終わると祇園に足を運ぶようになった。少しずつ顔なじみのできてきた頃、お茶屋のおかあさんに「舞妓さんをしっかり撮っておいておくれやす。いやはらへんようになるかもしれまへんさかい。」と言われたそうだ。

「半だらり」昭和53(1978)年 ©Hiroshi Mizobuchi

「半だらり」昭和53(1978)年 ©Hiroshi Mizobuchi

舞妓の成り手が減っていた1970年代当時、現実味を帯びたその言葉に背中を押されて、京都の花街を写真で残していこうと決意。

花街はもちろんのこと、祇園町の日常風景を写すことも写真家としてのライフワークとなった。

溝縁氏は、1975年、スタジオ勤務を経てフリーの写真家となり、1980年「PHOTO-HOUSEぶち」設立。ライフワークとなっている京都・花街、京都の四季や祭事をはじめ、四国八十八ヶ所、西国三十三所などのテーマにも取り組み、書籍も多数出版している。

花街に暮らす人々の日常を紹介

同展では、昭和48(1973)年から撮り始めた「昭和の祇園」(祇園甲部)の作品を中心に、今日までの町の風景や芸舞妓の姿など花街に暮らす人々の日常を約150点の作品で紹介する。

「雪の一力亭」昭和60(1985)年 ©Hiroshi Mizobuchi

「雪の一力亭」昭和60(1985)年 ©Hiroshi Mizobuchi

同展の入館料は税込で、一般900円、前売は700円。また、「障害者手帳」を提示の本人と同伴者1名は、当日料金より各200円割引。

前売券は、11月11日(金)~2023年1月1日(日)の期間、同館チケット窓口(休館日を除く)、京都駅ビルインフォメーション、チケットぴあ、ローソンチケットで販売している。

京都を訪れた際には、「溝縁ひろし写真展 昭和の祇園~花街とともに~」へ訪れてみては。

溝縁ひろし写真展 昭和の祇園~花街とともに~
開催期間:2023年1月2日(月)~1月29日(日)会期中無休
会場:美術館「えき」KYOTO
所在地:京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 ジェイアール京都伊勢丹7階隣接
美術館「えき」KYOTO公式サイト:https://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/index.html

(角谷良平)