有田焼の魅力がダイレクトに体感できる上、SDGsにも貢献できるイベントだ。
窯元有志によるチーム、NEXTRAD(ネクストラッド)は、磁器のものづくりの現場を紹介する展示・体験イベントやオープンファクトリーを開催する。
有田焼を次の時代へ|Go Forward 2022
日本初の磁器として誕生以来、400年の歴史を誇る有田焼。その次代のものづくりに挑むNEXTRADは、今年も展示・体験イベント「Go Forward 2022」を開催する。
同イベントでは、Porcelain(磁器)やPassion(情熱)など、“P”を頭文字とする14のキーワードから有田焼についてより深く理解してもらうための展示を行う。展示では、有田焼の製造工程や各窯元の得意技術など、磁器のものづくりについて作り手自らが説明してくれる。
また、日頃公開していない製造現場が見学できるオープンファクトリーも5つの窯元で実施する。
更に、現在の製造現場が抱える課題として、瑕疵(かし)とされる規格外品が生まれてしまう理由や脱炭素社会に向けたCO2排出削減、産業廃棄物の問題など同チームが考えるSDGsへの取り組みも紹介。
同チームは、これからの産地でのものづくりについて思いを巡らせていること、取り組もうとしていることを多くの人に案内し、有田焼について一緒に考える機会にしたいと考えているという。
窯元の若手経営者や後継者が参加するチーム・NEXTRAD
同チームは、窯元の若手経営者および後継者など14名が参加するチーム。勉強会や意見交換会を定期的に行い、有田焼産業における持続可能な未来のため、課題や方向性などを議論・共有し発信することを目的に活動している。
同チームの取り組みの一つ、「Go Forward」の具体的な内容を、過去の様子とともに紹介しよう。
磁器のものづくりの製造工程のメイン展示
有田焼の製造工程を原料から完成品にいたるまで、材料や道具などとともに詳細に紹介する展示を行う。
作り手のものづくりの現場を多くの人たちに知ってもらうことで、その価値を理解してもらうことを目指しているという。
14の窯元の得意技術などの展示
メイン展示を取り囲むように、14の窯元もそれぞれが自社ブースを設け、強みや得意な技術など、各社のものづくりの特徴を紹介する。
SDGsへの取り組み
将来のカーボンニュートラルや技術力向上のための応援型チャリティとして、規格外品の社会実験販売を試みる。
小さな鉄粉やピンホールなどの理由で規格外品とされてきた製品と、一般流通品の展示説明販売を通じ、産地の持続可能性のために規格外品を市場がどの程度受け入れてくれるのかを検証するSDGsへの取り組みだ。
オープンファクトリー
普段は公開していない、製造現場が見学できるオープンファクトリーを5つの窯元で実施する。会期中、計5回開催。所要時間は1回につき約1時間程度で、各回定員10名となっている。
メールでの申し込みによる事前予約制なので、詳しくはオフィシャルサイトをチェックしてほしい。
ものづくりの心を体感できる貴重なイベントだ。ぜひ参加してみたい。
Go Forward 2022 ―磁器のものづくりに関わる“14P”のこれから―
開催日時:11月3日(木・祝)/4日(金)/5日(土)午前9時~午後5時
メイン会場:佐賀県陶磁器工業協同組合 有田窯元ギャラリー arita mononosu
所在地:佐賀県西松浦郡有田町外尾町丙1217
Go Forward 2022公式サイト:https://www.aritayaki.or.jp/news/5151
(suzuki)