2022年のボジョレーは多彩で、肉付き良し。太陽に恵まれた2022年ヴィンテージの特徴を解説

ボジョレーワイン委員会(Inter Beaujolais)が、2022年ヴィンテージを発表。今年の天候やワインの特徴について紹介しよう。

熟成向きのワインもあれば、飲みやすいワインも

2022年のボジョレー・ヴィンテージは、1か月近く続いた収穫が終了する日まで、生産者にとって厳しいものであった。とりわけ春先から夏にかけての天候の変化は激しかったそう。

2022年の収穫は、2003年に次いで最も早い年となったが、今年のヴィンテージは既にとても素晴らしい出来だと言える。

ボジョレーワイン委員会のダニエル・ブリア会長はこう述べる。

「収穫は、区画によりばらつきがある。収穫量は、過去5年平均に対し20%減と予想されるが、品質は喜ばしいものである。2022年ヴィンテージは、偉大な年である2009年、2015年、2018年そして2020年と似ているところがあり、特別なワインとなるであろう。

このヴィンテージは、とても多彩な特徴を示す。豊満でしっかりとしたストラクチュアがあり、際立つ色で、熟成向きのワインもあれば、フレッシュで心地よく肉付きがあり、飲みやすいワインもある」と

暑く、日照量の多かった今年の天候

「2022年5月」は、長く記憶に刻まれるだろう。長引く暑さ、乾燥、そして日照量はとても多かった。

そして6月の間、生産者は急激に変化する異例の天候を目の当たりにした。とても暑く日照に恵まれることがあれば、雨が続き、局地的に激しい雷雨に見舞われることも。この天候条件が原因で、2022ヴィンテージは、最も早熟のヴィンテージの部類に入る。

7月はとても暑く日照に恵まれ、乾燥した月であり、8月は1959年以来、2003年に次いで最も暑い月となった。

また8月は、水分がとても不足していたことで特徴付けられる。日照はとても多く、月平均に対して日照時間は20%長かった。

テイスティングの印象は

SICAREX Beaujolais(ボジョレーの栽培・醸造研究機関)のベルトラン・シャトレ取締役は、「2022年は、“2021年に続く年だが、似ていない”という表現がぴったりなくらい、2021年とは対照的な年である」と、コメント。

また、「ワインはバランスがとれ、肉付きが良く、力強い。そしてアロマ豊かでフルーティーな表情に驚かされる」と、テイスティングの印象をコメントしている。

北部と南部、ボジョレーワインの産地

リヨンからブルゴーニュ南部の間に位置するボジョレーの産地は、14,500haに広がり、12のアペラシオンがあり、2000軒以上のドメーヌ、9軒の協同組合、200軒のネゴシアンがこの土地で活動する。

北部には100%赤のクリュがあり、ブルイィ(Brouilly)、シェナ(Chenas)、シルーブル(Chiroubles)、コート・ド・ブルイィ(Cote de Brouilly)、フルーリー(Fleurie)、ジュリエナ(Julienas)、モルゴン(Morgon)、ムーラン・ナ・ヴァン(Moulin-a-Vent)、レニエ(Regnie)、サン・タムール(Saint-Amour)である。

そして南部には、ボジョレー(Beaujolais)とボジョレー・ヴィラージュ(Beaujolais Villages)があり、この場所では、赤、白、ロゼとヌーヴォーのワインが造られている。

激しい天候だった2022年。その出来栄えが楽しみだ。

公式サイト:https://beaujolais-wines.jp

(田原昌)