美しいパターン模様と鮮やかな色彩!インド大使館で堪能するゴンド・アートの世界

河出書房新社の画集『ゴンド・アート インドの民族画』(Touch the GOND編)が注目を集めている。

同書の編者でインドの民族画を紹介しているTouch the GOND氏が、インド大使館、ディスカバー インディア クラブ主催のインド独立75周年・日印国交樹立70周年記念事業に協力。9月19日(月・祝)から24日(土)まで、インド大使館で「ゴンド・アート展」を開催する。

ゴンド画の最新作が見られる待望の展示

ゴンド・アートとは、インド中央部に住む先住民族により描かれた絵のこと。自分の家の土壁や土間につくられたレリーフや装飾が、紙の上に描かれる“絵画”という形になったのは今からわずか数十年前だという。1980年代初頭にゴンドのある若者が描いた壁絵が、州政府の研究チームに発見されたのがその始まりだ。

ゴンド・アートのモチーフは、想像上の生きものを含めた動植物、村の日常生活、神話や寓話など、民族の思想や暮らしと密接に関係している。

豊かな発想と大胆な構図、ときにユーモラスにも感じられる表現、そしてモチーフのなかに敷き詰められる細かく美しいパターン模様と鮮やかな色彩のコンビネーションが見どころだ。

スクナンディ・ヴィヤム「村の暮らし」

スクナンディ・ヴィヤム「村の暮らし」

ディリップ・シャーム「バグデーブとバーナー」

ディリップ・シャーム「バグデーブとバーナー」

国民栄誉賞受賞!インド国内でも注目されるゴンド・アート

画集でも紹介しているバッシュ・シャーム氏は2018年、ゴンド画家ではじめて、インドの国民栄誉賞ともいわれるパドマ・シュリー勲章を受章した。それに続き今年は女性作家ドゥルガ・バーイ氏も同勲章を受章。

さらに、2022年5月のQUAD(日米豪印首脳会合)では、インドのモディ首相がオーストラリアのアルバネーゼ新首相にゴンド画を贈呈した。さらにインドの出版社タラ・ブックスから数冊の絵本が刊行されていることもあり、インド国内でもゴンド・アートへの注目が高まりつつある。

展覧会では、世界で活躍するゴンド画家たちの作品20数点を一堂に集め、作品の背景にあるストーリーや自然観、ゴンドアートが生まれた経緯や創作風景なども織り交ぜて紹介する。また、訪印時に記録した、今のゴンド画家たちの姿や想いがわかるインタビュー動画も上映。上記の画集「ゴンド・アート インドの民族画」も会場で見ることができる。

モダンな魅力をあわせ持つ、ゴンド・アートの世界に浸ってみては。

ゴンド・アート展
会期:9月19日(月・祝)~24日(土)※初日19日のみ事前予約/予約期間終了
開館時間:10時~17時
会場:インド大使館ヴィヴェーカナンダ文化センター(VCC)・ギャラリー
所在地:東京都千代田区九段南2-2-11
入館料:無料
※セキュリティの都合上、入館時に写真付身分証明書の提示が必須

河出書房新社「ゴンド・アート」公式WEBページ:https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309256696/

(IKKI)