フランスのセラミック、Clémentine de Chabaneix(クレモンティーヌ・ドゥ・シャバネクス)氏の日本初個展「全28話。」が東京、渋谷の“ギャラリー「のこぎり」”にて、11月6日(日)まで開催中だ。
芸術の秋、“ギャラリー「のこぎり」”で、彼女の作品を堪能してみてはどうだろう。
フランスのセラミックアーティスト
クレモンティーヌ・ドゥ・シャバネクス氏は1972年、パリ郊外のヌイイ=シュル=セーヌに生まれる。両親は俳優で、祖父母は世界的な彫刻家のクロード・ラランヌ氏とフランソワ・グザヴィエ・ラランヌ氏である。
クレモンティーヌ氏の芸術的キャリアは演劇から始まり、デッサン、絵画、彫刻を学んだ後、陶芸に転向。祖母のクロード・ラランヌ氏から受け継いだ技法を継承しながら、独自の表現方法にたどり着いている。
ここでクレモンティーヌ氏の日本初個展である「全28話。」について説明したい。
純粋で、我慢強く、静かで、そして賢い
「全28話。」では、27体のセラミック、1体のブロンズの作品を公開する。ほとんどが同展のために作られた初公開作品となる。
彼女が好んで制作する対象は、動物と少女である。それらのモチーフは、ある時には人間と動物や植物との複雑に絡み合った関係性をあらわし、またある時には人と人でないものとの精神的つながりを表現する。そしてそれらは、純粋で、我慢強く、静かで、そして賢い。
胸騒ぎと気配だけにスポットライトがあたる
“ギャラリー「のこぎり」”は、同展について、「クレモンティーヌ氏は世界的な彫刻家として知られるラランヌ氏の孫娘である。
彼女は、その手強い先入観に抵抗しつつ、ついには手懐け、表現者としての自由を手にしている。
日本のアニメーションにも通じる表層の奥に、土着的な恐さと麻酔的な心地よさが共存する。演劇的なのに、物語を語ることは拒絶され、夢遊的なのに、意識は研ぎ澄まされていく。
反抗的なのに、どこまでも優しく、心理学的なのに、理由が見つからないのだ。同じ企みの下、同じ不安を共有することで、現実を乗り越えようとする彼女のキャストたち。
クレモンティーヌ氏が創り上げるオペラの一幕には、拍手も楽団もセリフもなく、客席に座った私の、胸騒ぎと気配だけにスポットライトがあたる。」と公式サイトに掲載している。
東京、渋谷のギャラリー「のこぎり」
“ギャラリー「のこぎり」”は4月にマリアンヌ・ハルバーグ氏の日本初個展「私はだれ?」により開廊。7月にはイェン・トゥオミンネン氏の日本初個展「渋谷区猿楽町、フィンランドの森。」を開催。
同ギャラリーはコンテンポラリーで個性的なセラミック・アーチストの作品を紹介する。なお、同ギャラリーは現在のところ完全予約制。
クレモンティーヌ・ドゥ・シャバネクス氏の日本初個展「全28話。」を観に“ギャラリー「のこぎり」”へ訪れてみては。
全28話。
会期:開催中~11月6日(日)
開廊時間:12時~19時(予約制)
休廊日:月・火
会場:ギャラリー「のこぎり」
所在地:東京都渋谷区猿楽町5-17第一西尾ビル2階
予約ページ:https://www.nokogiribytonkachi.jp/reservations.html
(角谷良平)