東京・丸の内「サンス・エ・サヴール」で味わう、長崎県五島の魅力がつまった特別コース

都内にある、ひらまつ社系列の5つのレストランでは、各店が1カ月ずつのリレー形式で、SDGsに取り組む長崎県五島市の食材を使った特別コース「五島フェア」を開催している。

最終月の9月は、東京・丸の内「サンス・エ・サヴール」にて、9月30日(金)までランチの特別コースを販売中だ。

食材の魅力を最大限に伝えることで、五島の食材を守る

今年の5月からおよそ5カ月間にわたり開催してきた五島フェア。9月は、企画の中心となり、さまざまなアイデアを考案してきた、東京・丸の内「サンス・エ・サヴール」料理長の鴨田猛氏による特別コースとなる。

五島産の地鶏「しまさざなみ」を知る

五島は、雄大な海と自然環境に恵まれ、食材の宝庫として知られているが、海洋環境をはじめ、実はその素晴らしい食材の多くが存続の危機に直面している。中でも五島の地鶏「しまさざなみ」は現在、飼育する農家が一軒のみ。その魅力に出会う機会が失われようとしている。

鴨田氏は、何とかそれを回避できればと考え、できるだけ多くの人に「しまさざなみ」の存在を知ってもらえるよう、今回のコースメニューに取り入れたそうだ。

その「しまさざなみ」を使ったのが、前菜「五島産地鶏<しまさざなみ>のコンポジション 万願寺唐⾟⼦のピペラード スモモとレバーペーストのアクセント」。

軍鶏(しゃも)の血統を持つ「しまさざなみ」のクセのない濃厚な旨味が味わえるもも肉は、その味をダイレクトに感じられるよう炭火焼きに。そして、手羽元やせせりなどの部位も余すところなくペースト状にして、低温で保湿しながらしっとりと仕上げたむね肉と合わせ、テリーヌにした。一緒に盛りつけたレバーのペーストとスモモが全体のアクセントだ。

「私たち料理人ができることは、食材を余すところなく使い、その魅力を生かし切って伝えることです」と、鴨田氏は話す。

レストランができるSDGs活動を考える

今回の五島フェアでは、鴨田氏は“レストランができるSDGs活動”への使命感を持って、フェアの実施とコースメニュー作りに取り組んできた。

コースメニューでは、ほかにも五島産のハガツオ、椿かぼちゃ、五島美豚、安納芋などを主役にした料理が登場。これらは一見すると何の関連もない食材に思えるが、五島では“循環”の輪でつながっている。

例えば、豚や牛などの糞は肥料として、また、椿油の搾りかすや椿茶葉の出がらしも飼料や肥料として。農業廃棄物の再利用などを通じて、五島では生産者同士がつながり、地域を守るために海から山まで、生産の循環サイクルができている。

このつながりを多くの人たちに伝えていく、それこそが、鴨田氏が思う料理人としての使命だ。

“おいしさ”の先にある人や自然の存在を感じる、鴨田氏による五島食材のコース。“食べる”ことで取り組めるSDGsと、五島食材の魅力を体験しよう。

ひらまつで味わう五島の魅⼒ 〜5⼈のシェフが紡ぐ想い〜
開催期間:開催中~9月30日(金)まで
会場:東京・丸の内「サンス・エ・サヴール」
所在地:東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング 35F
料金:長崎県五島市特別コース 6,655円(税・サ込) ※ランチコースのみ
フェアの詳細:https://www.hiramatsurestaurant.jp/special/nagasaki-goto2022/
サンス・エ・サヴール:https://www.hiramatsurestaurant.jp/sensetsaveurs/

(田原昌)