神奈川県厚木市のクラフトビールメーカー「サンクトガーレン」は、今年の夏に山梨県北杜市で収穫した“かいこがね”ホップを使ったビール「FRESH HOP IPA(フレッシュ ホップ アイピーエー)」を、9月8日(木)より数量限定で販売。
オンラインショップでは、9月7日(水)まで予約可能だ。
今夏のホップは豊作!ビールにも過去最高量を使用
今夏は過去最高量のホップの収穫があったため、ビールにも過去最高量を使用。同製品はホップ畑をそのまま詰め込んだような、フレッシュで瑞々しい香りが楽しめるビールだ。
香りと苦味のもとになるホップ
同製品は、山梨県北杜市で8月7日(日)に収穫した“かいこがね”ホップを、すぐ神奈川の工場に持ち帰り、醸造したもの。初回のホップ投入は収穫から24時間以内に行った。
このホップは、農林水産省に品種登録された国産ホップの第1号で、フローラルな柑橘系の香りが特徴だ。
ホップはビールの主原料で、主に香りと苦味のもとになる。通常、ビールに使うホップは夏に収穫したものを長期保存できるように乾燥処理したものであり、香りの成分が揮発することは避けられない。しかし、同製品には、何の成分も失われていない摘みたてホップをそのまま使用している。
とれたてホップを使ったビールは、限られた場所(ビール醸造所とホップ畑の距離が近い)、限られた時期(ホップの収穫時期)でしか造れない特別なものだ。
“ホップのシャンパン”のようなビール
通常のビールの約2倍となる、7回もホップ投入を経て完成した同ビールは、栓を開けてグラスに注ぐと、まるでホップ畑の中にいるような青々とした香りが広がる。
ホップの香りを存分に楽しめるよう、ボディ(糖度)は極限までドライに仕上げたBrut IPA(ブリュットアイピーエー)スタイル。苦味は控えめにし、青々とした柑橘を思わせるホップフレーバーだけをビールに凝縮させた。
ドライな飲み口に圧倒的ホップ感。まるで、“ホップのシャンパン”のようなビールだ。
20年、1人で守り続けた“かいこがね”ホップ
日本でホップ栽培が始まったのは、1930年代の山梨県北杜市だった。当時、北杜市では大手メーカーの主導により800を超える農家でホップ栽培を行っていた。ところが、輸入ホップへの切り替えとともに大手メーカーと北杜市の栽培契約が終了。ほとんどの農家がホップ栽培を止め“かいこがね”も姿を消していく。
そんな中、1軒の農家が「義父が発見・改良に関わった、かいこがねの種を絶やしたくない」と畑の片隅で栽培を継続した。サンクトガーレンが収穫の手伝いをしている浅川定良さんだ。
「契約終了から20年、誰も使ってくれなかった」と、浅川さんは言う。
そんな浅川さんのホップが再びビールになったのは2012年。同社が毎年全量を買い取り、ビールにしている。
同製品は本厚木駅北口にある「サンクトガーレン タップルーム」や、9月30日(金)から開催される「横浜オクトーバーフェスト2022」などのイベント会場で樽生を楽しむことも出来る。
ホップ農家の想いも込められたビールで乾杯してみては。
FRESH HOP IPA
アルコール度数:6.5%
ボトル内容量:330ml
価格:506円(税込)
販売場所:オンラインショップ、サンクトガーレン取扱い各店。公式サイトに随時掲載
詳細:https://www.sanktgallenbrewery.com/freshhopIPA/
(田原昌)