新たな可能性を探る、落合陽一氏と若佐慎一氏の2人展がKarimoku Commons Tokyoにて開催

森と人との間にある「見えないモノ」が展示コンセプトに。

9月1日(木)から、東京・西麻布にある「Karimoku Commons Tokyo(カリモク コモンズ トウキョウ)」で落合陽一氏と若佐慎一氏の2人展が開催。同展ではそれぞれの作家の領域による作品に加えて、木材を使用した新作が発表される。

落合陽一氏×若佐慎一氏「ぐわぐわぬるぬる:森からいづる不可視な境界線を廻って」

同展の企画は、若佐慎一氏と兼ねてから親交があったカリモク家具のアドバイザーである藤本美紗子氏が出会ったことがきっかけとなりスタートした。

若佐氏は、カリモク家具が商品を製造する過程で出る端材や、それに携わる社員、職人の想いといった、“表には出てこないモノコトの集積によって、商品が作られている”という点に着目。それは森と人との間に生まれた“日本人的アニミズム”観と繋がりがあると考え、森と人との間にある「見えないモノ」を展示コンセプトの中心として据えることとした。

そこで以前、「凄い若い」というブランドを共に立ち上げた経緯もあり、上記のテーマにも通じた創作活動を続ける落合陽一氏に声をかけたのだという。

カリモク家具とのコラボも!木材を使用した作品を展示

落合氏はこれまで、人間とコンピューターの境界領域が調和してひとつになる新しい自然観「デジタルネイチャー」を軸に制作、活動をしてきた。

同展では、「デジタルネイチャーの上に新たな民藝はどう存在しうるのか?」という問いから端を発した作品を中心に、木材を使用した新作を発表。作品は、作家が提供した3Dデータをもとに、カリモク家具が持つ技術で制作を行った。

一方、若佐氏は日本の風土と宗教観をテーマに、漫画やゲーム、アニメの特徴とされる要素を作品内に取り込み、ペインティングを中心として発表してきた。近年、様々な素材を用いた彫刻作品も展開しているが、本展では初となる木材を使用した彫刻作品を発表する。

素材となる木材は、カリモク家具の商品を生産する過程で生まれる端材を集めてブロック状にしたもの。これらを使用することで、自然から派生するモノ・コトと日本人との関係性を表現する。

「ぐわぐわぬるぬる:森から出づる不可視な境界線を廻って」と題された同展では、国土の7割が森や木で覆われている風土によって生まれた歴史や文脈がもたらすアイデンティティを再考。

もともと、日本にある“訳のわからなさ加減”や“非合理性”、“カオスティックな世界”と“混沌とした秩序”など、様々な領域を横断しながら、相反するモノを常に内包しながら進み続けるこの世界に希望を見出しつつ、新たな可能性を探る。

落合陽一×若佐慎一 ぐわぐわぬるぬる:森からいづる不可視な境界線を廻って
会期:9月1日(木)〜9月25日(日)※毎週日曜日は休館/最終日のみオープン
時間:12時〜18時
会場:Karimoku Commons Tokyo
所在地:東京都港区西麻布2-22-5
入場料:無料

(IKKI)