京橋・翠波画廊|ユトリロやピカソなどフランス近代巨匠の<鑑定書付き作品>を展示・販売

東京の京橋にある翠波(すいは)画廊は、フランス近代絵画の隆盛を極め、時代をけん引した巨匠の作品を一堂に展示し、販売する展覧会を7月23日(土)から8月13日(土)まで開催する。

出品予定作家は、モーリス・ユトリロをはじめ、パブロ・ピカソ、マリー・ローランサン、ラウル・デュフィ、モーリス・ド・ヴラマンク、モイズ・キスリング、エドガー・ドガ、ベルナール・ビュフェなどとなっている。

美術史に名を残す巨匠たちの作品を一堂に

20世紀、二度にわたる世界大戦によって疲弊したパリの人々は、絵画に癒しを求めていた。それに呼応するように画家たちが芸術家として“表現”をし、数多くの傑作を世に送り出した。そんな作品が今回の展覧会で鑑賞できる。

時を経て輝く「名画」を自宅で

歴史に名を残す画家の絵画は、人類にとっての文化財とも言える。

そのような芸術作品を、欧米では経済的に成功した人が自身の教養と見識を示す威信財としてコレクションすることが少なくない。それは、成功の証として自分に贈る「トロフィー」ともいわれる。

美術館に展示されるような芸術作品を自宅に迎え、自分だけの場所でゆっくりと楽しむことができる体験は、とても贅沢で豊かな時間をもたらしてくれるだろう。

時代をけん引した巨匠の作品を多数展示

同展では、エコール・ド・パリ(*1)を代表する、ユトリロ、キスリング、ローランサンの油彩作品から、ヴラマンク、デュフィといったフォービスム(*2)を代表する画家の作品、さらに誰もが知る巨匠、ピカソのペン画まで特別に展示する。

モーリス・ユトリロ(1883~1955年)

波乱の人生を送りながらも生まれ育ったパリを愛し、その街並みを描き続けたユトリロ。画家の孤独な心情を写し取ったような、独特の哀愁感漂うパリを描いた作品が高く評価され、一躍人気を得た。

また、「モンマルトルのトゥレルのカフェ」(1911年)がパリのオークションで730万フラン(約2億円)で落札され、ユトリロのオークションレコードに。

モーリス・ユトリロ「モンマルトル、トゥレルのカフェ」1935年頃、油彩15号

モーリス・ユトリロ「モンマルトル、トゥレルのカフェ」1935年頃、油彩15号

1935年頃に描かれたこの作品には、ユトリロの鑑定家ジャン・ファブリスの鑑定書が付く。

パブロ・ピカソ(1881〜1973年)

20世紀最大の巨匠、そして今なお注目され続けるパブロ・ピカソ。 ピカソは旺盛な探求心から、作風を目まぐるしく変化させ、生前に残した作品は15万点近くといわれている。

常にオークションで取引されたり、話題になることで価値が高まり、ピカソ作品を一枚は持ちたい、という人は後を絶たない。

パブロ・ピカソ「雄牛と闘牛士」1961年、クレヨン・紙

パブロ・ピカソ「雄牛と闘牛士」1961年、クレヨン・紙

この作品にはクロード・ピカソ鑑定書が付き、真贋についても安心だ。

モイズ・キスリング(1891〜1953年)

エコール・ド・パリの多様な文化的背景を持つ画家の中でも多くの芸術家に慕われ、「モンパルナスの帝王」と呼ばれたキスリング。

キスリングの作品は、当時の空気を感じさせる華やかさと陰りが同居するとともに、鮮やかかつ、光を発するかのように透明感あふれる色彩に満ちている。

キスリング「花束」1937年、油彩

キスリング「花束」1937年、油彩

この作品には、ジャン・キスリング鑑定書が付く。

絵画はいつまでも残る財産として、子どもや孫といった次の代に受け継いでいくことができる。かけがえのない資産として、末永く楽しみたい。

フランス近代巨匠展
会期:7月23日(土)~8月13日(土)※日曜・祝日休廊
会場:翠波画廊 ※入場無料
所在地:東京都中央区京橋3−6−12正栄ビル1F
時間:10:00〜18:00
展覧会詳細:https://www.suiha.co.jp/information/fmasters_2207exhibition/

(田原昌)

*1 1920年代のパリで活動していた外国人アーティストの集団を指す。ユトリロ、ローランサンのみフランス人。
*2 20世紀初頭にフランスで興った絵画運動。強烈な原色の対比など大胆な手法を特徴とする。