東京・銀座の蔦屋書店にて、プリツカー建築賞受賞の建築家・ピーター・ズントー氏がデザインした家具を日本の家具ブランド「タイムアンドスタイル」が製品化した「Peter Zumthor Collection」コレクションを展示販売する。
期間は7月30日(土)から~8月26日(金)まで。2022年6月の発表以降、タイムアンドスタイルショールーム以外では国内初となる展示会だ。
ピーター・ズントー氏によるデザイン家具を製品化
ミニマルですっきりとしたデザインが人気の「Peter Zumthor Collection」。そのアイテムは、スイスの温泉施設のためにデザインされた寝椅子や、ロンドンのギャラリー空間に合わせてデザインされたテーブルなど数多い。今回は、その一部をピックアップしてご紹介しよう。
宙に浮いたような感覚になれる「Valserliege」
「Valserliege」は、スイスの渓谷ヴァルスの石材を何層にも積み上げて作られた温泉施設「テルメ・ヴァルス」のためにデザインされた、シェーズロング。
等間隔に並べられた木のフレームが、人の体に馴染むように柔らかなカーブを描く。細身の金属脚が木のフレームを軽やかに持ち上げており、シェーズロングに横たわるだけで、まるで宙に浮いてるような感覚に。
シンプルさの中に芸術美が光る「Serpentine table, Serpentine stool」
ロンドンにあるサーペンタイン・ギャラリーでは、毎年世界的な建築家を招いて、期間限定のパビリオンが設営される。2011年、ピーター・ズントー氏がこのパビリオンの設計を依頼された際に建築に合わせてデザインしたのが、このテーブルとスツールだ。
同プロダクトは過剰に加飾せず、制作プロセスがそのままデザインの要素となっている。テーブルの天板の端部は職人が1枚ずつ絞り加工によって手作業で折り曲げており、安全性を確保すると共に、金属製のテーブルで柔らかな印象を演出。一方、3本の細い脚はワイヤーで束ね、強度を保ちつつもシンプルに仕上げている。
木目と塗装のコントラストが美しい「Kolumba side table」
聖コロンバ教会ケルン大司教区美術館の読書室で使われているサイドテーブルを、日本の素材と技術を用いて製作したのが「Kolumba side table」だ。
1本の丸太から削り出されたテーブルの側面は欅の美しい木目を持ち、テーブルの天板は鮮やかなカラーで塗装されている。塗装は天板の縁で切り替わり、塗り重ねられた明快な色彩と丸太のコントラストがモダンな印象。
天板の鮮やかな4色のカラーバリエーションは空間に彩を与え、2種類のサイズバリエーションによってリズムが生まれる。
「ピーター・ズントー・ブックフェア」を同時開催
また、建築書籍売場では展示に合わせて「ピーター・ズントー・ブックフェア」を開催。同フェアでは、アトリエ・ピーター・ズントーでプロジェクトリーダーを務め、独立した建築家・杉山幸一郎氏のレコメンドによるピーター・ズントー氏の洋書や古書を取り揃える。
巨匠建築家のマスターピースであるコレクションを、次世代を担う建築家の1人である杉山幸一郎氏による選書とあわせて楽しみたい。
Peter Zumthor Collection 展
期間: 7月30日(土)~8月26日(金)
会場:銀座 蔦屋書店 スターバックス前平台
※ピーター・ズントー・ブックフェアは同期間に建築書売場にて開催
所在地:東京都中央区銀座6-10-1 SIX6階
銀座 蔦屋書店 公式Webサイト:https://store.tsite.jp/ginza/
イベント特集ページ:https://store.tsite.jp/ginza/blog/architectural-design/27802-1029230714.html
(IKKI)