夏シーズンの大人の休日の過ごし方|東京都内で優雅にアートを楽しめるスポット3選

暑い夏に、屋外散策はしんどい……。そんな時は、冷房の効いた会場でアート鑑賞を楽しんでみては。今回は、7月〜9月に都内で開催されるアートイベントを紹介。各人・団体の個性が垣間見える作品を目にし、アートに関する教養を深めてみては。

<表参道>スラム街の子どもたちによる写真がアートに!

表参道では、アフリカ・ルワンダのスラム街に暮らす子どもたちが撮影した写真作品や、それらにアーティストたちがインスパイアされた作品を展示する「写ルン族Exhibition Tour “共鳴”表参道展」を7月23日(土)まで開催中。

「写ルンです」プロジェクトは、100台のレンズ付きフイルム「写ルンです」をルワンダの子どもたちに届けたところからスタートした。作品が撮影された写真フイルムは買い取り、ルワンダの人たちへ生活費を渡すことで支援を行う。

また、国内外のアーティストにこれらの写真を題材としたコラボ作品の制作を依頼することで、表現の場を創出。同展の出展者には、写真家の香川智彦氏、ファッションデザイナー・コシノヒロコ氏をはじめ、幅広い分野のアーティストが揃っている。

写ルン族 Exhibition Tour “共鳴” 表参道展
会期:開催中〜7月23日(土)
開場時間:13時より20時
会場:5450 THE GALLERY
所在地:東京都港区南青山5-4-50 2F
入場料:無料

<六本木>鏡面性を持つ神秘的なクローム絵画が登場

六本木では、イスラエル出身のニール・ホッド氏による個展「Echo of Memories」が8月下旬まで開催中だ。

installation view at GAVLAK Palm Beach, Exile, 2022

installation view at GAVLAK Palm Beach, Exile, 2022

本展のタイトルにもある「エコー(Echo)」は、古代ギリシアにおいて、“山や谷での音の反響は、木の妖精であるエーコーが返事をしたものだ”と考えたことから由来する。

ホッド氏の作り出すクローム絵画も同様に、その鏡面性をもった表面特性から、環境や鑑賞者を絵画の世界に取り込み、終わりのない反響の中へと思考を連れ込む。

ニール・ホッド《The Love Story of Young Helena》2022

ニール・ホッド《The Love Story of Young Helena》2022

抽象画のようなキャンバスには様々な化合物が加えられ、その化学反応によって色彩層を劣化させている。まるで絵を破壊しているかのような驚きの工程だが、ホッド氏はその中から光の輝きをすくい上げることで、絵画に神秘的な魅力を作り出す。

ニール・ホッド「Echo of Memories」
会期:開催中〜8月27日(土)※日・月・祝は休廊
開廊時間:11:00-18:00
会場:KOTARO NUKAGA
所在地:東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル2F
特設ページ:https://kotaronukaga.com/news/2856/

<銀座>勇ましい鎧兜をモチーフにした立体・平面作品展

銀座の「ポーラ ミュージアム アネックス」では、「鎧兜」をモチーフにした作品を数多く手掛ける美術作家、野口哲哉氏の展覧会が7月29日(金)から9月11日(日)まで開催される。

《WOODEN HORSE》 2020年 H22.0cm ミクストメディア 高松市美術館蔵

《WOODEN HORSE》 2020年 H22.0cm ミクストメディア 高松市美術館蔵

本展では野口氏のこれまでの作品の中から、代表作の立体や平面など約40点と、本展のために制作された新作を併せて展示する。

《21st Century Light Series ~The Tap~》 2020年 9.2×13.8cm アクリルボード 高松市美術館蔵

《21st Century Light Series ~The Tap~》 2020年 9.2×13.8cm アクリルボード 高松市美術館蔵

作品に込められた感情と、人間への好奇心にあふれた世界を堪能したい。

野口哲哉「this is not a samurai」
会期:7月29日(金)〜9月11日(日)
開館時間:11:00-19:00 (入場は18:30まで)
会場:ポーラ ミュージアム アネックス
所在地:東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
入場料:無料

猛暑厳しい今年の夏は、屋内施設で「アートの夏」を楽しんでは。

(IKKI)