20世紀半ばに流行したミッドセンチュリーの家具は、現代においても変わらぬ美しさがある。
そんな時代を代表するフランスのデザイナーであるセルジュ・ムイユ氏とピエール・シャポ氏の作品を一堂に会する企画展を、7月15日(金)~7月24日(日)に開催する。会場は千葉県野田市にあるギャラリーショールーム「BUNDLE GALLERY(バンドルギャラリー)」だ。
二人の名工による造形美が共演する企画展
同展では、両名がどのような人物で、どういった経緯で作品が生まれたのかを当時の写真や日記をもとに紹介し、主催者が保有するヴィンテージ作品と、それぞれの家族らが継承するアトリエで製作された現行品を展示する。
また、今回のイベントの為に復刻した日本初上陸のシャポーのアイテムも展示予定。期間中、出展作品は受注販売をおこなう。
照明器具を手がけるセルジュ・ムイユ
セルジュ・ムイユ氏は、幼少期の植物や昆虫に対する深い好奇心がデザインの根本に存在する。彼が学生時代に磨き上げた、その卓越した金属細工の技術のもと生み出された作品は、ミッドセンチュリー期の中でも異質で類稀なる存在感を放つ。
1950年代に発表した照明作品「Black Shapes」シリーズで名声を博した後、デザイナーとしての後期に発表した「Les Colonnes」シリーズは、そのデザインの振り幅、彫刻的な美しさや独創性において“マスターピース”と称されている。
家具デザイナーのピエール・シャポ
ピエール・シャポ氏は、木の持つ生々しくも荘厳な存在感と、確かな洗練されたモダンデザインとの融合によって、その独自性を確立した。
同時期に活躍したイサム・ノグチ氏の工芸品に対する有機的なアプローチや、作品づくりにおける理念にシャポーは強く共感し、自身のギャラリーでノグチ氏の作品を取り扱っていたことでも有名だ。
ピエール・シャポ氏のデザインは、彼の木工に対する情熱なくして生み出すことができなかった作品だ。その手工芸や木材への愛に溢れた彼のシグネチャーとも言えるオールジョイントのデザインは、現在でも大きなインパクトを与えている。
ギャラリーショールーム BUNDLE GALLERY
会場となる「BUNDLE GALLERY」は、ル・コルビュジエ氏のアトリエで学んだ、最後の日本人建築家として知られる進来廉氏が、1970年代に設計した個人邸を、ギャラリーショールームとして新たに再生させた空間だ。
進来氏が、ピエール・シャポ氏に影響を受けたギリシャ系フランス人の建築家ジョルジュ・キャンディリス氏に師事していた事から今回のイベントが実現した。
名匠のこだわりが伝わってきそうな、家具の真髄を楽しめる企画展だ。
THE LEGACY OF MODERN CRAFT
~継承されるセルジュ・ムイユとピエール・シャポの造形美~
期間:7月15日(金)~7月24日(日) 12:00〜17:00(入場16:30まで)
会場:BUNDLE GALLERY
所在地:千葉県野田市野田57番地
料金:入場無料(アポイントフリー)
詳細ページ:https://www.gallerycasade.com
(hachi)
※新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、会期の変更や、臨時休館となる場合あり