銀座「アルマーニ / リストランテ」|“サステナビリティ”と名付けられた全6皿の新メニューを堪能

昨年、フードロス食材を主役としたコースメニュー「ロスフードメニュー」を展開し大きな注目を集めた「アルマーニ/リストランテ」が、フードロスバンクと再度タッグを組み、新メニュー「サステナビリティ」をスタートした。

同メニューの価格は12,000円(税込・サ別)。「高農園のサラダ」「スモークハマチ」「スナップえんどうのリゾット」「鰆の炭火焼き クレソンソース」「とみつ金時」「いちご 酒粕」「カフェ プティフール」の全6皿構成だ。 

社会が抱える食の問題に向き合うメニュー作り

同レストランのエグゼクティブシェフ、カルミネ・アマランテは「ロスフードメニュー」をきっかけに、日本の農業や食材、地球環境に対してより深い関心を抱き、食材を扱う立場としての使命を再考した。そして、現在社会が抱えるあらゆる問題に焦点を当てた新メニュー「サステナビリティ」を作り上げた。

「サステナビリティ」のメニューは、日本米、地方、フードロス素材の3つの「サポート」をテーマに掲げている。

「⽇本⽶」のサポートで米のロスに向き合う

⽇本⼈にとってソウルフードともいえる「⽇本⽶」は、⽇本国内での需要低下により多くのロスが⽣まれている。

イタリアンレストランでリゾットを作る際は、空輸されたイタリア⽶を使うことが通例だが、今回は⽇本⽶を使⽤。空輸に頼らず、より短いフードマイレージで作り上げる⽇本⽶のリゾットは、環境問題の観点からも地球にやさしい一⽫だ。

「地⽅」のサポートのための食材選び

新メニューでは「北陸地方」に焦点を当て、コース内で使用されるメイン食材は全て北陸産のもので統一した。

1つの地域でこれほどまでに豊かな食材が入るのを知ってもらうことで、料理を通し、地方のパワーと豊かな可能性を表現している。

「フードロス⾷材」のサポートでロスゼロを目指す

見た目の問題で通常ルートでの出荷ができない食材を一部の料理に使用することで、フードロス食材のサポートを実現。また、新メニューのために調達された食材は、その全てを無駄にしない工夫がなされている。

豊かな北陸産の食材を堪能する、サステナブルなメニュー

新メニュー「サステナビリティ」は、サラダからカフェ、プティフールを含めた全6皿のコース。料金は、12,000円(税込・サ別)。ここでは一部を紹介しよう。

前菜は、福井県のプライドフィッシュでもあるハマチを使用した「スモークハマチ」。塩をふり、適度に水分を抜いたハマチをスモークしてうまみを閉じ込めた。

ロスを減らし生態系を守るため、市場に出回らない「未利用魚」を出来るだけ獲らない工夫がされた定置網漁で水揚げしたものを使用する。

「スナップエンドウのリゾット」には、日本人の米離れが進む中、リゾットにあう新潟県産米を厳選して配合した「れすきゅう米」を使用。本来は捨ててしまう野菜の切れ端からとった出汁で米を煮詰め、グリーンピースのピューレ、パルメザンチーズを絡めた。

福井県フィールドワークス産の「とみつ金時」を使用したプレドルチには、形や大きさの理由で通常ルートでは出荷できないとみつ金時を使用。

また、デザートには、石川県の紅ほっぺと福井県産の黒龍の酒粕を使用した「いちご 酒粕」を。フレッシュな苺で囲まれた内部には、形を理由に出荷できない苺のピューレをシャーベットにしたものと、酒粕を使用したジェラートを忍ばせている。

サラダからデザートまで、食の問題に取り組み工夫された新しいメニューを楽しもう。

アルマーニ / リストランテ
所在地:東京都中央区銀座5-5-4 アルマーニ / 銀座タワー 10階&11階
営業時間:ランチ 11:30-15:00、ディナー 18:00-23:00
定休日:月曜
URL:https://www.armani.com/ja-jp/experience/armani-restaurant/

(田原昌)