デニムには無限の可能性があることを教えてくれる家具が誕生。
デニムデザインの限界を押し広げ、未来に対する独自のビジョンを明示。先駆的なスタイルを通じてストリートに「ラグジュアリーデニム」を導入してきたオランダのアパレルブランド「G-Star RAW」が、2022年、新たなアートプラットフォーム『The Art of RAW(アート・オブ・ロゥー)』を立ち上げた。
デニムデザインの限界を押し広げるユニークなアート
「G-Star RAW」がアートプラットフォーム『The Art of RAW』を立ち上げたのは、多くの若手クリエイターとのコラボレーションに取り組み全く新しいアートオブジェを制作して、デニムデザインの限界を押し広げるためだ。
ブランドポリシーに則り、各アーティストはデニムの廃材を利用して自由に実験、そして素材をアップサイクルしながらそれぞれの分野でユニークなアートを作り上げている。
デニム廃材を用いたユニークな家具
最初に参加したデザイナーは、1992年生まれのテウン・ズヴェッツ(Teun Zwets)だ。彼は2020年にデザインアカデミー・アイントホーフェンを卒業後、カザーネ賞を受賞した。
まずは動き出すことをモットーに、『The Art of RAW』とともに制作したオブジェは『Denim Living』。 椅子のプロトタイプから始まり、ベースとなる金属のフレームを作り、そして強度を増すためにデニムの屑を一枚一枚重ね合わせ、最終的にはバインダーで生地を張り合わせ、強固なものにした。
完成した家具は、ランプ、食器棚、椅子が一体となった、ユニークなアートピースとなった。
テウンは今回のコラボに関してこう語っている。
「G-Starからオファーを受けたときのことは今でも忘れられません。自分自身、今までデニムを扱ったことがなかったからこそ、完成型がどうなるのかとても楽しみでもありました。
実験や新しい技術に挑戦することこそ、私の成長に欠かせないプロセスだと思っています。そしてここに、デニムとのコミュニケーションを通して、ユニークな家具『Denim Living』が完成しました」
『The Art of RAW』は、テウン・ズヴェッツをはじめ、アテナ・グロンティ、レニー・シュテープ、ホーザン・ザンガナ、ニンケ・シッケマ、イワン・ポール、ピーン・ポースといった、様々な国際賞を受賞したデザインタレントとのコラボレーションを実施する。
テウン・ズヴェッツとのコラボレーションは、4月12日に発表。今後毎月、G-Star RAWのSNSで新しいコラボレーションを発表していくという。The Art of RAW 公式サイトでも、楽器やスケルトンの犬などにデニムをあしらった作品が見られる。
デニムに抱いていた概念が大きく変わること確実なアーティストたちとのコラボ作品。毎月どんなアートが誕生するのか、注目していきたい。
The Art of RAW 公式サイト:https://www.g-star.com/ja_jp/the-art-of-raw
(冨田格)