黒川温泉がある南小国町に、阿蘇五岳や南小国町の原野が一望できる新名所「草原テラス」が完成。南小国町観光協会ではキャンプ用品や自転車のレンタルも行っている。
明るい時間は大自然の中でアウトドア体験を楽しみ、夜は良質な温泉に浸かる。まさに至福の旅を楽しめる熊本・南小国町を案内しよう。
里山の風景が広がる「草原テラス」
熊本県と大分県の県境に位置し、人口約4,000人の純農村でもある南小国町。黒川温泉をはじめ、小田温泉や満願寺温泉、田の原温泉など多くの温泉地が点在する地域としても知られているが、昔ながらの懐かしい里山の風景が今もなお残る場所でもある。
特に特徴的なのは広がる草原と放牧して育てられる「あか牛」。
南小国町は面積の84%を原野と山林が占めており、原野は古くから人々が「野焼き」を行い維持されてきた風景だ。狩猟の場、かやぶき屋根の材料、畑の肥料としての灰、牛馬の放牧地など、時代によって様々な用途に用いられてきた原野だが、昔と変わらぬ風景が地域住民の協力のもと今に伝えられている。
「そんな草原の景観を眺めながらゆっくりと過ごして欲しい」という思いから、田の原温泉近くにある小萩山稲荷神社奥に作ったのが「草原テラス」だ。草原に囲まれて、目の前に阿蘇五岳を望むくつろぎの場所が誕生した。
小萩山稲荷神社は、恋人探しにご利益があると言われる南小国町の中でも知る人ぞ知る絶景スポットだ。5台ほど駐車できるスペースもある。
キャンプをほぼ手ぶらで体験できるセットを貸し出し
南小国町の面積の8割以上を占める原野と山林。そんな大自然を活かしたキャンプ場が南小国町内に6ヶ所あり、多くのキャンパーに愛されている。
とはいえ、オートキャンプ場が多く、キャンプ初心者にとってはハードルが高かったのも事実。そんな「キャンプに興味があるけどまだ道具は揃えていない」という人向けに南小国町観光協会にてキャンプ用品のレンタルがスタートした。
コロナ禍ということもあり、寝袋の用意はないものの、初めてのキャンプを「ほぼ手ぶら」で体験できるセットとなっている。
セットに含まれるアイテムは、「テント」「タープ」「椅子4脚」「テーブル1台」「焚き火台(バーベキューコンロ)」「LEDランタン」「モバイル充電1機」。
キャンプ用品の他に、南小国町観光協会では「E-BIKE(電動自転車)」のレンタルも実施中。のどかな田園風景や茅葺のバス停、野菜の無人販売所など、自転車だからこそ気付くことができる南小国町ならではの魅力を堪能できそうだ。
春から初夏、緑が色濃くなっていく季節の自然の中に身をおき、温泉に浸かって疲れを癒す。日常のストレスを忘れられること確実な旅ができそうだ。
小萩山稲荷神社への行き方:https://minamioguni.jp/archives/123141
キャンプ用品レンタル:https://minamioguni.jp/archives/activity/194261
レンタサイクル:https://minamioguni.jp/archives/activity/219161
(冨田格)