イタリア政府観光局ENITでは、毎月定期的に国内各地の最新の観光関連のイベント情報を配信することとなった。各州のイベントやお祭りをチェックして、今後の旅の参考にしてみよう。
エミリア・ロマーニャ州での芸術や産業
アペニン山脈から北のポー川まで伸びるイタリア北部の州。国内でも特に「食通の州」として知られている。
今年は、ボローニャで生まれた映画監督で脚本家のピエル・パオロ・パゾリーニの生誕100周年にあたり、回顧展「Folgorazioni figurative(具象的ひらめき)」が本年10月16日まで開催。
また、産業遺産博物館では、当時輝きを放ったボローニャのバイク産業をテーマにした展示会「1950〜1960年代のボローニャのバイク展:バイクから自動車の時代へ」を開催している。
そして、「モザイクの町」としても知られる、日本人観光客の間でも人気の高いラヴェンナ。ラヴェンナ市美術館(略称、MAR)では、4月17日(日)にあたる復活祭(イースター)を前に、展示内容を刷新。バンクシーの「愛は空中に(Flower Thrower)」などを展示する。
ウンブリア州で楽しむチョコレートの祭典
イタリア中央部に位置し、緑豊かな美しい景観から、「イタリアの緑のハート」と称されるウンブリア州では、ヨーロッパ内最大級のチョコレートの祭典「春のEurochocolate(ユーロチョコレート)」が3月25日から開催される。
本年はペルージャ旧市街の中心地にある、緑豊かなフロントーネ庭園がメイン会場。バラエティに富んだチョコレートはもちろんのこと、チョコレートを使ったアイスクリーム、リキュール、ビールなどの店舗が並ぶ。
ノスタルジックな列車の旅が満喫できるアブルッツォ州
イタリア中部、アペニン山脈とアドリア海に挟まれた同州は、豊かな自然がつくりだすダイナミックな景観が特徴的な「緑の州」。
そんなアブルッツォ州〜ナポリ間をつなぐべく、1897年に運行を開始したスルモーナ=イゼルニア線。2010年に一旦廃線となったが、近年観光列車としての価値が見直され、「イタリアのシベリア鉄道」という愛称で世界中から熱い注目を集めている。
車窓から楽しめる見事な自然景観はもちろん、1930年代に実際に使われていたビンテージ車輌での旅を楽しめる。
プーリア州の美しい劇場で開催される国際映画祭
ブーツ型の国土のかかと部分にあたるイタリア南部に位置し、「イタリアの食糧庫」とも称される一大農産地として有名な州。
州都バーリで毎年開催されているバーリ国際映画祭(Bif&st)は、イタリア国内でも屈指の文化イベント。期間中はメイン会場となる、世界で最も美しい舞台芸術劇場のひとつとされるペトルツェッリ劇場で、世界中から集められた国際コンペティション部門参加の8本の映画が上映されるほか、多様なイベントが催される。
今のうちに、イタリアの文化や芸術を訪ねるプランを練っておきたい。
イタリア政府観光局:https://www.italia.it/en
(田原昌)
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