「ベネッセアートサイト直島」に2つの新ギャラリーがオープン

世界から注目されるアートの島で、建築やアートに囲まれる一日を。

ベネッセハウスの開館30周年となる2022年、新たに2つのアート施設がオープンする。ひとつは「ベネッセアートサイト直島」における安藤忠雄の9つ目の建築、草間彌生、小沢剛の作品などによる「ヴァレーギャラリー」、そしてもうひとつは、ベネッセハウスパークにおける杉本博司氏の作品空間をさらに拡大・整備した「杉本博司ギャラリー 時の回廊」だ。

山間に建つ新たな安藤建築「ヴァレーギャラリー Valley Gallery」

ベネッセハウスと地中美術館の間にある、李禹煥美術館向かいの山間に位置する。祠をイメージした安藤忠雄設計の半屋外建築と、その周辺の屋外空間一帯を含めたヴァレーギャラリーの整備により、自然の中に点在するベネッセハウスの各棟や美術館施設が繋がる。そして鑑賞者にエリア全体のランドスケープの体感を促し、海だけでなく、改めて季節ごとに異なる顔を見せる豊かな山の植栽が楽しめる。

建物内外では草間彌生の《ナルシスの庭》が大規模に展開され、小沢剛の《スラグブッダ88 -豊島の産業廃棄物処理後のスラグで作られた88体の仏》も一部改変され、自然・建築・アートの共鳴をより深く体験できる展示となっている。

「ナルシスの庭」Copyright of Yayoi Kusama

スラグブッダ88

入館料は、ベネッセハウス ミュージアムの入館料(1,300円)に含まれ、ベネッセハウス宿泊者は無料。

杉本博司の作品群を継続的かつ本格的に鑑賞・体感できる世界唯一のギャラリー

「杉本博司ギャラリー 時の回廊」は、ベネッセハウス パークにおける杉本博司作品の展示空間を周辺のラウンジやボードルーム、屋外にまで拡げ、杉本の多様な作品群を継続的かつ本格的に鑑賞できる世界的にも他に例をみないギャラリー。

ベネッセアートサイト直島の黎明期より、様々な形でアート計画に参加してきた杉本の当地との関わりを背景に、既存の《松林図》や《観念の形 003オンデュロイド:平均曲率が0でない定数となる回転面》などに加え、「ジオラマ」や「Opticks」といった主要な写真シリーズや、ヴェニス、ヴェルサイユ、京都で展示され人々を魅了してきた硝子の茶室《聞鳥庵》が新たに加わった。

また、ラウンジおよびボードルームは杉本が主宰する新素材研究所のデザインにより、カフェ機能も備えて一新。

入館料は、カフェスペースでのお茶とお菓子代込みで1,500円となっている。

杉本博司ギャラリー 時の回廊 ラウンジ内部

瀬戸内海の美しい島の自然を感じながら、素敵なアートの時間を過ごしてみたい。

ベネッセアートサイト直島
所在地:香川県香川郡直島町琴弾地
URL:https://benesse-artsite.jp/

(田原昌)

※営業状況が記事の掲載時と異なる場合があります。ご利用時には公式HPなどで最新情報のご確認をお願いします。