神保町シアター「細雪」から「スケバン刑事」まで、日本の姉妹映画を特集上映

日本映画の姉妹たちをスクリーンで蘇る。古き良き昭和の日本映画をフィルムで上映する本の街の名画座「神保町シアター」は、3月5日より「『細雪』と映画の中の姉妹たち」を特集上映する。

3つの時代で映画化された「細雪」

世界的に有名な四姉妹の物語といえば「若草物語」だが、日本ではやはり谷崎潤一郎の代表作「細雪」ではないだろうか。

昭和20年代、30年代、50年代と、3回にわたり映画化された「細雪」。昭和25年(1950年)版は、阿部豊監督作品。四姉妹は、長女の鶴子を花井蘭子、次女の幸子を轟夕紀子、三女の雪子を山根寿子、四女の妙子を高峰秀子が演じた。

昭和34年(1959年)版は、島耕二監督作品。四姉妹は、長女の鶴子を轟夕紀子、次女の幸子を京マチ子、三女の雪子を山本富士子、四女の妙子を叶順子が演じた。

そして昭和58年(1983年)版は、市川崑監督作品。四姉妹は、長女の鶴子を岸惠子、次女の幸子を佐久間良子、三女の雪子を吉永小百合、四女の妙子を古手川祐子が演じた。

今回の特集上映は、それぞれ時代の違う3度の映画化作品を一挙見比べしてしまおうという、大胆な企画だ。

日本映画が描いた姉妹たち

特集上映では、「細雪」に合わせて、日本映画史に残る四姉妹・三姉妹ものの名作も上映する。

昭和10年(1935年)の成瀬巳喜男監督作品「乙女ごころ三人姉妹」では、堤真佐子、梅園龍子、細川ちか子が三姉妹を演じる。

昭和39年(1964年)の森永健次郎監督作品「若草物語」では、吉永小百合、浅丘ルリ子、芦川いづみ、和泉雅子が四姉妹を演じる。

昭和59年(1984年)の池広一夫監督作品「化粧」では、松坂慶子、池上季実子、和由布子が三姉妹を演じる。

昭和60年(1985年)の大林宣彦監督作品「姉妹坂」では、紺野美沙子、浅野温子、沢口靖子、富田靖子が四姉妹を演じる。

昭和63年(1988年)の田中秀夫監督作品「スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲」では、浅香唯、大西結花、中村由真が三姉妹を演じる。

平成15年(2003年)の森田芳光監督作品「阿修羅のごとく」では、大竹しのぶ、黒木瞳、深津絵里、深田恭子が四姉妹を演じる。

それぞれの時代のスター女優たちが姉妹を演じた華やかな日本映画史に残る作品たちを、映画館のスクリーンで堪能できるチャンスだ。

特集上映
「細雪」と映画の中の姉妹たち
期間:3月5日(土)~3月25日(金)
入場料金:(一般)1300円
場所:神保町シアター
詳細:https://www.shogakukan.co.jp/jinbocho-theater/program/sisters.html

(冨田格)