沖縄県の八重山諸島には、独自の風土がある。その「風土」をテーマにデザイナーがプロデュースした泡盛が新たに誕生。
日本酒や日本産ワインの瓶、ラベル、ネーミングなどを多数手がけ、「日本の酒の顔」をつくり続けてきたデザイナーの原研哉(はらけんや)氏が、石垣島の八重泉酒造と共に新たな泡盛を開発。Webサイト「低空飛行」などを通じて日本の観光産業に価値を見出す原氏は、今回「八重山諸島の風土」をテーマにプロジェクトを展開している。
「八重山諸島」が仕込む酒
八重山諸島とは沖縄の離島群を指し、日本本土とは異なる亜熱帯地域に属す。周囲が海に囲まれている環境から独自の生態系を形成し、八重山諸島含む沖縄は「東洋のガラパゴス」とも呼ばれるほど。八重泉酒造では、この唯一の環境下を最大限に生かした酒造りとして、儀式的な価値を付与し、それぞれの手法を「風土仕込み」という考え方で総括した。
本プロジェクトでは、世界の高級酒と肩を並べられるような強いストーリーを持つ酒として、高価格帯での展開を目指す。庶民の酒として親しまれてきた従来の泡盛世界とは一線を画し、新たな領域を切り拓く酒となる。
八重泉酒造の座喜味社長は、以下のようにコメントしている。
「今回、とても嬉しい事に原研哉さんとのご縁を頂き、一緒に新しい八重泉酒造のお酒を造ります。私たちが今日まで心を込め、積み重ねて、育んで来た魂(spirit)に原研哉さんが新たな物語を付け加えて下さり、八重山の魂(spirit)が込められた新しいお酒(spirit)がこの八重山の地に誕生します。ワクワクと高揚感さえ感じられるこのプロジェクトの詳細をぜひ楽しみにお待ちください」
グラフィックデザイナー・原 研哉氏
グラフィックデザイナー。日本デザインセンター代表取締役社長。武蔵野美術大学教授。長野オリンピックの開・閉会式プログラムや、愛知万博のプロモーションでは深く日本文化に根ざしたデザインを実践。2019年よりウェブサイト「低空飛行」を立ち上げ、日本の風土を未来資源として活用すべく活動中。酒の分野では、日本を代表するワイナリー「中央葡萄酒」、「八海山」などのデザインで実跡を持つ。
「ローカルの至上の品こそグローバルで最良価値を持つ」という考えを主軸に、石垣島から世界へと力強く向かってゆく、あらたな泡盛に期待したい。
八重泉酒造:https://yaesen.com/
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(田原昌)