高級江戸前鮨店が協力、天王洲アイル駅にロス食材を活かしたご馳走が買える自販機登場

近年問題になっている食品ロスに、手軽に買える自動販売機という方法で取り組むプロジェクトがスタートした。

特殊冷凍ソリューション事業を展開するデイブレイクは、東京都に採択された「2021年度 食品のロングライフ化技術を活用した食品ロス削減事業」として、飲食店でこれまで廃棄されていた食材を活用し、特殊冷凍した食品を自動販売機で販売する「急速冷凍食品の自動販売機での販売実証」を開始する。

■東京都の食品ロス削減事業について
今回、東京都が公募した2021年度の「食品のロングライフ化技術を活用した食品ロス削減事業」に、三菱総合研究所とデイブレイクの協同事業「急速冷凍食品の自動販売機での販売実証」が採択された。

本事業は、飲食店の食品ロス削減に貢献するモデル事業として、ここで得られた成果を広く普及させ、課題の解決を図りながら、社会へ実装させることが目的とされている。

「急速冷凍食品の自動販売機での販売実証」では、飲食店のロス食材を活用した料理を特殊冷凍させ、サンデンリテールシステムが製造・販売する冷凍専用自動販売機「ど冷えもん」で販売。ロス食材の有効活用はもちろんのこと、品質を保ったまま販売することで食品ロスを削減に貢献する。

■「鮨心」監修、“もったいない”から生まれたご馳走
自動販売機で販売する商品は、東京・南麻布の高級江戸前鮨店「鮨心(すしこころ)」の協力を得て、営業中に提供しなかった食材を蘇らせた料理。

1匹のうち、頭や骨など約6割が廃棄されてしまうという鯛の「アラ」(骨の出汁、端の身)を使った「玄界灘産真鯛の鯛めしおむすび」や、鯛のアラ出汁で煮込んだけんちん汁(300円)、寿司ネタとしては使えないゲソを活用した「イカ大根」(300円)などを販売。上質な素材を使い、大将の中村氏が一つひとつ丁寧に仕上げた料理を特殊冷凍し、美味しさを閉じ込めた。

「極おむすびセット」 500円
・玄界灘産真鯛のアラからとった出汁、アラの端の身を使った鯛めしおむすび
・営業中に提供しなかった酢飯とズワイガニを使ったおむすび

冷凍自動販売機は、東京モノレール「天王洲アイル」駅中央改札前に設置し、オフィスワーカーや近隣住民へ、「もったいない」から生まれたご馳走を振舞う。

■江戸前鮨「鮨心」について
大将の中村導昌氏が、高校卒業後「築地寿司清」、「意気な寿し処 阿部」での店長を経て独立し、白金に「鮨心」をオープン、のちに現在の南麻布に規模を拡大して移転。自宅でもお鮨を楽しんで欲しいという想いで冷凍鮨の研究を重ね、高級江戸前鮨の冷凍通販を2021年9月に開始。多くのユーザーに愛される、江戸前鮨店。

住所:東京都港区南麻布4-12-4 1F
HP:https://sushikokoro.net/

■特殊冷凍とは
急速冷凍に凍結媒体ごとの特殊な技術を施すことで、さらに高品質な冷凍を実現。一般的な冷凍の場合、細胞内の水分が氷に変わる温度帯の通過時に、氷結晶が大きく歪になることで細胞が損傷する。一方急速冷凍は、急速かつ均一に冷却することで氷結晶が小さく生成され、細胞の損傷を極少化でき、うまみ成分の流出を防ぐ。さらに特殊冷凍では、冷風の湿度や冷風の当て方などの特殊技術が加わり、形状維持や調理済みのあたたかい食品の急速冷凍を実現した。もったいないから生まれたご馳走を食べてみよう。

販売期間:12月21日(火)〜2022年1月21日(金)
冷凍自販機設置場所:東京モノレール「天王洲アイル駅」前 中央改札前

(田原昌)