やがて文化になる事業をつくり続ける場の発明カンパニー「ツクルバ」が設計を担当したYAMAGIWAのオフィスが、LITライティングデザインアワード2021・ワークプレイスライティング部門を受賞。
■働く場の可能性を引き出した点が高く評価
「ツクルバ」はスタートアップから大企業まで様々な規模のオフィスや、コワーキングスペースの設計を手がけた知見を活かし、「働く場づくり」の空間デザイン事業を進めている。
今年5月竣工のYAMAGIWA社新オフィスビル、全7フロアあるうちの4、6、7階の執務空間のデザイン・設計を「ツクルバ」が担当。多様な照明を用いて、家具と内装だけでは創ることができない表情豊かな空間を実現。
そして12月、「LITライティングデザインアワード2021 ワークプレイスライティング部門」で佳作を受賞。照明のデザイン、明るさ、色温度、光源の品質を追求して、働く場の可能性を引き出した点が高く評価された。
■「YAMAGIWA」新オフィス、デザインのポイント
照明のリーディングカンパニーである「YAMAGIWA」の照明に関する高い技術力・専門性と、「ツクルバ」の空間デザインを通じた「働く場づくり」の専門性を用いて、光の力を最大限生かし、多様なワークスタイルを後押しする実用性とデザイン性を兼ね備えた空間を実現した。
働く場の可能性を体感できる”ライブオフィス”
4階は執務エリアであるだけでなく、”ライブオフィス”として、働く場における「YAMAGIWA」の照明・家具の実例や、それらによってもたらされる場の可能性を体感できるショールームとしての役割も果たす。
エリアによって照明を細かく変えており、社員はそのときの業務内容やモードに合う場を選ぶことができる。
フロアごとに細部までこだわった照明
フロアごとに異なるワークスタイルに合わせて、照明器具のデザインだけでなく、照度(明るさ)や色温度(色味)など光のあり方も細かく調整を行った。
4階は色温度を3000Kと低く設定して全体に落ち着いた空間としながら、スペースによって照度(明るさ)を変えてモードに合わせて場を選べるようにしている。6階は主にエンジニアリングのためのフロアであることから、色温度を高く4000Kに設定し、作業中の不要な影を避けるために均一な配光を提供している。
色温度とは、光の色を表す指標で、ケルビン(K)という単位を用いて表される。低い色温度では、赤味が増し落ち着いた光となり、高い色温度では、青みが増し明るく活動的な光となる。
社員とともに、空間の役割を定義したワークショップ
3フロアある執務エリアについて、設計スタート時に社員ワークショップを開催し、「YAMAGIWAの価値創造の場」としてオフィスの在り方を社員を巻き込んで検討し、フロア毎に役割を定めた。
「ツクルバ」の不動産企画デザイン事業は、場作りのプロフェッショナルが集まった専門集団。アイデアのみを提供するのではなく、上流から下流まで、場づくりに関わる全てを企画し、リアルな空間に落とし込み、持続可能な仕組みを一緒にデザインすることを目指しているという。
新しいオフィスのあり方を模索する企業にとっての強い味方として、より存在感が増していきそうだ。
「ツクルバ」不動産企画デザイン事業:https://tsukuruba.com/business/ppd/
(冨田格)