業界初!北海道の育成牧場が競走馬に低酸素トレーニングを開始

競走馬もアスリートと同様のトレーニングを行う時代に。競馬ファンなら気になるニュースだろう。

北海道にある競走馬の育成牧場が、業界初となる競走馬用低酸素トレーニングシステムを導入。競走馬に高地トレーニングを開始した。

■業界初!競走馬用低酸素トレーニングシステムを導入
獣医師が代表を務める育成牧場「エクワインレーシング」の新たなトレーニング設備に、故障のリスクを格段に抑えながら優れたトレーニングが可能になる、競走馬用低酸素トレーニングシステムを導入。

「エクワインレーシング」は、獣医師3名、騎乗スタッフ5名、厩舎スタッフ2名、計10人体制で約60頭の育成・休養馬の管理・調教を行っている。

■競走馬に高地トレーニングをする利点
標高2,000〜3,000m相当の低酸素トレーニングは「Living Low Trainning High」といわれ、毛細血管の発達やミトコンドリアの活性化など、筋肉だけでなく心肺機能を大幅に向上することが出来る。

しかしながら、高地で競走馬をトレーニングできる施設は国内になく、2014年12月に開催されたJRAの「第56回競走馬に関する調査研究発表会」では、マスクを馬に装着して低酸素状態を作る実験が行われていた。

「エクワインレーシング」では、国産メーカー初となる低酸素発生装置「HS6000」を複数台設置し、トレッドミルを囲む空間まるごとを高地状態にすることを実現。

これにより、馬体に何も装着することなく標高2,000〜3,000m相当の低酸素空間で、故障のリスクを格段に抑えた優れたトレッドミルトレーニングを行うことが可能になった。

「HS6000」は、ラグビー、フェンシング、陸上等、国内トップアスリートに信頼された優れた性能と安全性を持った製品だ。

「エクワインレーシング」は、預かっている一歳馬および古馬休養馬に対してトレーニングメニューの一つとして積極的に取り入れ、更なる育成馬の成績向上に努める次第とのこと。

一般の見学は不可というのは残念だが、高地トレーニングで成績が向上する競走馬の活躍を見守っていきたい。

エクワインレーシング
所在地:北海道勇払郡むかわ町米原479番地2
公式サイト:https://equineracing.jp

(冨田格)