墨田区の魅力を知る『すみだ新景』展をすみだ北斎美術館で開催

「すみだの魅力」を作品化した展覧会が開催中。

本城直季『Sumida Riverside』

メタ観光推進機構は、墨⽥区や墨⽥区観光協会、アートプロジェクト「隅⽥川 森羅万象 墨に夢」と連携して取り組む『すみだメタ観光祭』のプログラムとして、4名のアーティストが墨田区の街の新たな魅⼒付けとして制作した作品を展示する展覧会『すみだ新景』を、すみだ北斎美術館 MARUGEN100(講座室)で開催する。

■『すみだ新景』について

「すみだ新景」は、葛飾北斎をはじめ、歌川広重、歌川国貞などの著名な浮世絵師や新版画の絵師である小林清親、川瀬巴水らが描いてきた墨田区を舞台に、現代のアーティスト4作家が、現在のすみだの魅力をテーマに制作した作品を展示する展覧会。すべての作品の場所は会場内で地図に示されると同時に、オンラインの地図「すみだメタ観光マップ」で公開。

アーティストたちが発見した「すみだ新景」を展示で楽しむとともに、地図を見ながらその風景の場所を訪れることができるユニークな鑑賞体験だ。

大村雪乃『Ryogoku highway』

架空荘『門の入り口』

■アーティストの紹介
・大村雪乃
1988年生まれ。多摩美術大学在学中に文房具の丸シールで夜景を表現する絵画を発表し、素材の意外性とビジュアルの美しさで2012年Tokyo Midtown Awardにて受賞。

Photo Tsuyoshi Fukunaga

・架空荘(果無夏子)
2015年頃から「日本人が懐かしく切ないと感じる情景ポートレート」をテーマに、ノスタルジーを感じる場所での女学生のポートレート作品の創作を始める。

・本城直季
大判カメラのアオリを利用して、都市の姿をジオラマのように撮影する独特の表現で知られる。まるでミニチュアの世界のような感覚を想起させる作品は、この世界の実在と虚構を問いかける。


・鈴木康広
日常の見慣れた事象に新鮮な切り口を与える作品によって、ものの見方や世界のとらえ方を問いかける活動を続けている。「第1回ロンドン・デザイン・ビエンナーレ2016」に日本代表として出展。

Photo Masako Nakagawa

■メタ観光について
「メタ観光」とは、本来の建築物や場所が持つ魅力に加え、重層的な観光的価値を一体的に運用する新しい観光形態。

メタ観光では、聖地巡礼を目的とする「コンテンツツーリズム」、農山漁村の人々と交流する「グリーンツーリズム」といった複数ある観光のテーマを、観光地に価値を与える1つの「レイヤー(層)」としてとらえ、その「レイヤー」を1つの場所に複数重ね、それを一体的にとらえることで、その地を訪れる観光客に多様な観光体験を提供。

位置情報を活用したゲームアプリやSNSが普及している中、情報によって付与される観光的価値を目的にした観光者は今後も増加すると考えられ、メタ観光は新たな観光の形として期待されている。

鈴木康広『光と影のディスタンス』(「すみだ見立て観光地図」より)

新感覚のアートを、隅田の魅力とともに味わってみよう。

期間:12月4日(土) 〜 12日(日)  ※ 6日(月)は休館日
場所:すみだ北斎美術館MARUGEN100 (講座室)(東京都墨田区亀沢2-7-2)
入場料:無料
公式サイト:https://www.sumida.metatourism.jp/exhibition

(田原昌)