オフィスで1時間、自分のタスクに「集中時間」導入で生産性向上し残業減少

社員の生産性が格段に向上する「集中時間」という取り組みを紹介しよう。

■自分のタスクに集中する1時間

東京都豊島区の「日本デザイン」は、7月に開始した「集中時間」について8月に実施したアンケートの結果をふまえ、社員の要望が強かった午後の時間にも集中時間を設けることを決定した。

午後の集中時間は10月から試験的に取り入れられ、午後3時〜4時の1時間は原則ミーティングや社員同士の会話、食事を控え、個人の作業や業務にあてる時間としている。

集中時間制度

オフィスでは作業がうまく進まないという社員の声に応え、7月から開始。

毎日午前10時〜11時までの1時間を「集中時間」とし、全員が個人の作業を進めるという制度。集中時間中はミーティングや会話、食事休憩は原則禁止。社外とのミーティングもその時間帯はなるべく避けるようにルールを設け、外せないものは別室で行うなど、社員が集中できる環境の確保を徹底した。

社員それぞれが自分の業務を1人で進める「集中時間」を実施した結果、生産性が上がったとの声が多く、8月にとったアンケートでは、社内満足度が95%を超える結果となった。

■生産性が向上し、残業が減少

「日本デザイン」は、ビルの2階部分のみを使用したワンフロアオフィス。社員全員の顔を見ることができ、コミュニケーションも活発に行えるというメリットもある一方で、常に人の話し声がして集中できないという問題もあった。

「ミーティングがすぐ隣で行われていて、制作作業が進まない」
「後輩が頻繁に質問に来て、自分の仕事ができない」

自社ではこれまで、コミュニケーションが取りやすいオフィスだからこそ、仕事の生産性に重要な「集中できる」環境が整っていなかった。

集中時間を実施したことで、社員からはこのような声が上がっている。

「これまでは多いときで週に3日ほど、仕事が終わらず残業をしていたのですが、集中時間導入後はほとんど定時に終わるようになりました」

「ミーティングが多くなかなか個人タスクの作業をする時間がなかったが、今では集中時間に作業ができるので仕事が早く終わる」

「今までは2時間も続いていたミーティングが集中時間に被らないようにと効率的になり、1時間で終わるようになりました」

「『この仕事は集中時間内に終わらせよう』など、1つの目安ができ、1時間半かかっていた仕事が1時間でできるようになった」

「作業中に話しかけられると集中が切れるので困っていたが、集中時間なら好きなだけ作業に没頭できてありがたい」

従来の働き方にとらわれないワークスタイルへの改革を通して、今後も幸せな生き方、働き方ができる日本人を増やすための活動を行っていくという「日本デザイン」。

生産性の向上と社員のQOL向上にも寄与する「集中時間」というコンセプト、働き方改革が進む様々な企業にも広がっていくかもしれない。

日本デザイン

所在地:東京都豊島区東池袋1-35-3 池袋センタービル2F
公式サイト:https://japan-design.jp

(冨田格)