エミレーツ航空の新しい取り組みに注目。エミレーツ航空は、アラブ首長国連邦(以下、UAE)を拠点とするファルコン・エアクラフト・リサイクリング社と共に、初のA380型退役機をアップサイクルおよび再利用する先駆的な取り組みを開始した。これにより、解体プロセスによる環境への影響を軽減し、埋立地での廃棄物を大幅に削減する。
■アップサイクル品販売を通じての環境保護
近年、多くの退役航空機は遠隔地に飛ばされ、部品として解体した後、適切に処分されないケースが増えている。
従来の解体やリサイクルプロジェクトでは、収益性の高い部品を回収する一方、機体や資材の大部分が埋め立て廃棄物として処理されることが課題となっていた。また、航空機には、難燃性の生地や複合材など、リサイクルや廃棄が困難なものが多くある。
今回エミレーツ航空の大規模な素材回収と再利用のプロジェクトは、本拠地であるUAEで実施するため、環境負荷を最小限に抑えることが期待できる。
■退役したA380型機が特注家具に
最終旅客便を終えたエミレーツ航空A380型初号機(A6-EDA)は退役後、エミレーツ・エンジニアリング施設に運ばれ、エンジニアによりエンジン、着陸装置、飛行制御コンポーネントどの再利用可能な部品が回収された。
その後、機体登録を抹消し、ファルコン・エアクラフト・リサイクルのチームに引き渡し、機体を慎重に分解する作業を開始。
ファルコン・エアクラフト・リサイクリング社は、UAEを拠点とするウィングス・クラフト社と提携。同社は航空機の素材を使った特注家具や商品の製造を専門し、今回もユニークな商品やコレクターズアイテムをデザインおよび製造をする。
退役したA380型機から作られた特注家具等に興味のあるコレクターは、ウィングス・クラフト社(sales@wingscraftshop.com)まで相談とのこと。
航空ファンにとっては見逃せないニュースになるだろう。
エミレーツ航空
https://www.emirates.com/jp/japanese/
ファルコン・エアクラフト・リサイクリング社
https://falconaircraftrecycling.com/
(GINGA)