思わず見惚れてしまうほど美しいメンズリングの数々。
17世紀のヴェネツィア共和国のドージェ(元首)がはめていたリングから1970年代のアメリカのバイカーリング、古代エジプトのリングから19世紀の“メメント・モリ”スカルリング、18世紀のエナメルリングから現代アーティストが手がけたリングまで、270点ものリングが一堂にラインアップ。
「レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校」は、イヴ・ガストゥ氏がコレクションしていた息を呑むほどに見事なメンズリングの数々を展示する。
■イヴ・ガストゥ氏と彼のメンズ リング コレクション
イヴ・ガストゥ氏の名は、1980年代半ばに彼がパリのボナパルト通りに開いたギャラリーが、瞬く間にサンジェルマン・デ・プレ地区を代表する有名スポットとなったことによって広く知られるようになる。
先駆的なアンティークディーラーだったガストゥ氏は、1940年代から1970年代のフランスやイタリアの家具と、ソットサス、メンディーニ、倉俣史朗などの1980年代のデザインを象徴する作品を同時にギャラリーに並べた最初の世代だった。
40年以上にわたってアート市場を切り拓いてきたガストゥ氏のキャリアこそ、正真正銘のパイオニアと呼ぶにふさわしいものだ。
彼の才能の核心には、世界の美を彼に教えたオークショニアの父親と美意識の高い母親によって子供の頃から培われた桁外れの視覚的知性、温暖な地中海性気候に包まれたフランスの南部育ち特有のカリスマ性、尽きることのない情熱とそれによって生まれるエネルギーがあった。
イヴ・ガストゥと彼の息子ヴィクトール・ガストゥ ©ギャラリー・イヴ・ガストゥ
■メンズ リング エキシビション
パリの後、東京と香港で開催される「レコール」によるこの巡回展では、コレクションの中で最も象徴的な作品の数々が紹介される。展示するリングのセレクションはそれぞれ、コレクションを特徴づけ、その多様性を表す5つのテーマ「歴史」「ゴシック」「キリスト教神秘主義」「ヴァニタス( 空虚)」「幅広いコレクション」を代表している。
それぞれのリングに、ガストゥ氏というコレクターの背景や、彼を想起させるストーリーが込められ、まるで彼自身を形作るたくさんの小さなパーツのように、彼のアイデンティティとなっている。
ヴェネツィア元首の指輪
司教の指輪
英国の哀悼の指輪
死を昇華させる棺の指輪
オルゴールの指輪
同展は、これまで秘密にされてきた隠れ家でのガストゥ氏の仕事ぶりを明らかにする逸話、アートに捧げた人生やオブジェへの深い愛のストーリーを語ることをまさに目的としている。
■「メンズ リング イヴ・ガストゥ コレクション」
期間:2022年1月14日(金)~3月13日(日)会期中無休、予約不要
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
住所:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン内
エキシビションの詳細について
https://www.lecolevancleefarpels.com/jp/ja/mens-rings-exhibition
(IKKI)