「アサヒビール」のウイスキー製造子会社である「ニッカウヰスキー」余市蒸溜所(北海道余市郡余市町)にある建造物の一部が、11月19日に、文化庁が定める「重要文化財」に登録されることが発表された。これは、「アサヒビール」グループ会社としては初の指定となる。
■余市蒸溜所の10建造物が重要文化財に
「重要文化財」は、文化庁が、国や地方自治体の指定・選定・登録の有無に関わらず有形無形の文化的遺産全般を指す用語で、文化財保護法では「文化財」を「有形文化財」「無形文化財」「民俗文化財」「記念物(史跡、名勝、天然記念物)」「文化的景観」「伝統的建造物群」の6つのカテゴリーに分類。
このうちの「有形文化財」に該当するものとして、文部科学大臣によって指定されたものを「重要文化財」と呼称している。
今回、余市町教育委員会が推薦し、専門家の調査を踏まえ、10建造物が重要文化財の指定を受けることになった。
これまでも「旧事務所」については1980年に余市町指定文化財、「事務所棟」「蒸溜棟」「貯蔵棟」「リキュール工場」「第一乾燥塔」「第ニ乾燥塔」「研究室・居宅」「第一貯蔵庫」については2005年に登録有形文化財の指定を受けている。
この度「第二貯蔵庫」を加えた10建造物が重要文化財の指定となった。
2024年に創業90周年となる「ニッカウヰスキー」は、今後も、文化庁や地方自治体などへの文化財建造物の保存に関する情報提供や、文化財の普及啓発活動などに協力していく予定だとのこと。
ジャパニーズ・ウィスキーの歴史を体現する、「ニッカウヰスキー」余市蒸溜所。その建造物を大切に保存して、日本のウイスキーの歴史を後世に伝えていってほしい。。
ニッカウヰスキー余市蒸溜所ホームページ:https://www.nikka.com/distilleries/yoichi/
(冨田格)