小京都の街並みに、イノベーションを創出する企業がやってきた。
■「SAMURAI HOUSE -安芸竹原邸-」開設
スタートアップ支援や事業創造を手がける「サムライインキュベート」は、中国・四国地方の経済の中心地である広島県の竹原市に「SAMURAI HOUSE -安芸竹原邸-」として拠点を開設した。
「サムライインキュベート」では、2030年までに実行するビジョン「SAMURAI VISION 2030」を掲げており、国内外の投資や事業共創を通じて、世界で課題を抱える約9億人の人々を対象とした社会課題の解決を目指している。
その一つとして、地方都市の自治体や行政・大手企業との共創を通じてイノベーションを起こそうとする企業・組織等と伴走し、地方経済の活性化や地方スタートアップの支援も推進していく。
また、「SAMURAI VISION 2030」に基づき、広島県主催「ひろしまサンドボックス」の一環として行う、デジタル技術を活用してコロナ禍における課題解決を図る実証実験「D-EGGS PROJECT」にて、2020年より事業創出の伴走支援を継続して行ってきた。
■歴史があり、可能性を秘めた街
広島は中国・四国地方の経済の中心として栄える地域。
さらに竹原は、国内外の玄関口となる空港から近いだけでなく、広島県沿岸部の中間に位置し、古くから交通の要衝として独自の文化・経済圏を築いてきた。
中でも江戸時代の商家が数多く残る「町並み保存地区」は安芸の小京都とも呼ばれ、多くの人々を魅了する街として知られている。
瀬戸内に浮かぶ大崎上島の玄関口でもあるこの竹原に拠点を設けることで、地方発スタートアップの創出や瀬戸内におけるイノベーションエコシステムを構築するとともに、地方ならではの魅力を活かし課題解決に向けた支援をより活性化していこうと考えている。
■「SAMURAI HOUSE -安芸竹原邸-」での活動方針
高専連携による高専発スタートアップ創出
広島県豊田郡の「広島商船高等専門学校」などと連携し、「サムライインキュベート」が培ってきた創業期スタートアップの支援ノウハウを活かした起業・支援を実施。さらに、企業・組織との連携を視野に、2050年カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現に向けた新たな環境価値事業を創出する。
混雑に依存しない観光イノベーションの創造
安芸の小京都ともいわれる「町並み保存地区」の優れた観光エリアとしての特徴を活かし、スタートアップ等との連携によって旅行者が地域コミュニティの文化に共感し、相互作用し合う交流「トランス・カルチャー」を促進するイノベーションを創出する。
味わい深い古い街並みで生み出されていく新しいカルチャーとイノベーション。広島・竹原から目が離せなくなりそうだ。
サムライインキュベート
SAMURAI HOUSE -安芸竹原邸-
所在地:広島県竹原市本町3-9-20
建築時期:明治時代
本社所在地:東京都港区六本木1-3-50
公式サイト:https://www.samurai-incubate.asia/
(冨田格)