冬の日本海のご馳走「加能ガニ」の漁が解禁された。
■「加能ガニ」の最高級ブランド「輝」が華々しくデビュー
平成18年、石川県内の漁協が一つに合併したことを契機に、他県産ズワイガニとの差別化を図るため石川県産の雄のズワイガニの県下統一の呼び名として県漁協で決定したのが「加能ガニ」だ。
そんな「加能ガニ」の更なる知名度の向上とブランドイメージの浸透を目的に、今季から厳しい認定基準を満たした貴重な加能ガニの名称を「輝(かがやき)」に決定。新たに県下統一の最高級品としてブランド化を図ることになった。
11月6日の初セリに合わせて、各船が厳選した自信の1尾を活ガニとして1枚ずつセリにかけ、グランプリ(最高金額)を決める「蟹-1(カニワン)グランプリ」が石川県漁協かなざわ総合市場と同加賀支所の2か所の市場で開催。
同イベント内で、石川県産「加能ガニ」の最高級ブランド「輝」が、かなざわ総合市場にて初めて誕生し、加能ガニのセリ史上最高額の500万円で落札され、華々しくデビューを飾った。
■最高級ブランド「輝」誕生の模様
「蟹-1(カニワン)グランプリ」 にエントリーした23尾の活ガニは1尾ずつ測定や記録が次々に行われた。
19時頃、石川県珠洲市蛸島漁港の漁船「第八丸一丸」の加能ガニが到着。「輝」の条件をクリアし、見事初セリにて「輝」として認定された。
「輝」の初セリには、15名以上の買い人が参加。セリはいきなり40万円の高値でスタート。買い人の声が次々に飛び交い、ご祝儀相場も相まって価格はぐんぐん上昇し、500万円という加能ガニ史上過去最高額で落札された。
初日の加能ガニの全体の尾数は、29,520尾。その中でも「輝」に認定されたのはわずか1尾で、約3万分の一の確率での誕生となった。
「輝」の規格は、重量や甲羅幅などの条件の他、全ての脚がそろっているか、身入り、キズや爪の有無、鮮度の徹底、資源管理の取り組みなども認定条件としており、ほんの一握りの上質なものだけが「輝」の称号を得ることができる。
厳しい条件をクリアしなければ認められないブランド蟹「輝」。厳選されたその味を、一度は味わってみたいものだ。
「輝」の認定基準
重さ:1.5kg以上/甲羅幅:14.5cm以上/全ての脚がそろっている
甲羅が硬く、身入りが良い/鮮度の徹底(獲れた日をタグに記載)
資源管理に積極的に取り組んでいる ※法令で定める漁獲数量の上限や禁漁期間の設定、甲幅9cm以上のサイズ規制の他、自主的管理として、 ズワイガニの禁漁期間に別の漁での混獲を防ぐため、ズワイガニ漁期外の保護区域の設定や、改良網を用 いてズワイガニが網に入らないよう工夫するなど、積極的に資源管理に取り組んでいるもの。
(冨田格)