古くから使われている家だからこその味わいは、大切に残したい文化だ。
■京町家の情報・活用事例を一元化して公開
京都の町衆が育んだ知恵と技術の結晶である京町家は,歴史的市街地の町並みの基盤だ。しかし,近年,所有者等の高齢化に伴い,相続や維持管理の費用負担等の課題を抱え,老朽化し除却されるものや空き家が増加している。
地域の暮らしの文化を引き継ぐ京町家や古民家などは,愛着を持って適切に手を加えれば,世代を超えて使い続けることができるものであり,未来へ伝えたい京都の宝だ。今こそ,適切に継承するための実践的な取組が求められている。
このため,京町家等の継承に関わる多くの団体で構成する「京町家等継承ネット」では,所有者や居住者と共に,力を合わせて京町家等の継承に取り組んでいる。
京町家等の活用者となる新たな担い手を掘り起こし,企業や起業家などの活動拠点を誘致することを目的として,文化的価値を有する京町家・古民家・近代和風住宅等の歴史的建造物に特化した不動産情報及び活用事例を,ポータルサイト「MATCH YA(マッチヤ)」で一元化して公開することになった。
■新たな発想が、京町屋を蘇らせ、未来に繋いでいく
ポータルサイト「MATCH YA」における不動産情報と活用事例一元化公開は、京町家等の歴史的建造物の活用に向けた,新たな担い手の掘り起こしを目的としている。
京都に拠点を求める首都圏のIT企業やクリエイティブ企業,起業家などに向けて,京都らしい歴史や文化を感じる京町家等の情報を積極的に提供する。
オフィス・コワーキングスペース・ショールーム・迎賓館・複合施設などの比較的新しい活用事例に注目し,所有者や活用者などへのインタビューを通して現場の声を届けるとともに,不動産の仲介や改修に関わった専門家の解説を加え,京町家等の活用手法を紹介する。
この取り組みには、「京都府宅地建物取引業協会」「全日本不動産協会 京都府本部」「日本賃貸住宅管理協会 京都府支部」「京都府不動産コンサルティング協会」「京町家情報センター」「京町家居住支援者会議」が、協力不動産関係団体として名を連ねている。
公開中の活用事例を通して、京町屋を活用する可能性が大きく広がり、継承する人たちが誕生していくことを期待したい。
「MATCH YA」未来と町家をマッチするポータルサイト:https://kyoto-machisen.jp/matchya/
(冨田格)