ロックダウンという現実を見る。
■ロックダウン下のヨーロッパの街
東京ミッドタウンの「富士フイルムフォトサロン 東京」は、若手写真家に写真展を行う意義や楽しみを見出してもらい、写真文化の発展に繋げる為、2013年から年数回、若手写真家応援プロジェクト「写真家たちの新しい物語」を開催している。
10月22日(金)〜11月4日(木)Jay Hirano氏による写真展「Lockdown -Recovery, Rebuild, Restart -」を開催中だ。
イギリス在住のJay Hirano氏が、2020年にロックダウン下のヨーロッパ各国を巡り、ストリートで撮影した作品群約40点を展示している。
■写真家Jay Hiranoの想い
Jay Hirano氏は、今回の作品に関して、このように語っている。
2020年3月、新型コロナウイルスの世界的流行にともないヨーロッパ各国がロックダウンを実施したとき、経験したことがないほど静まり返ったロンドン市内は異様な、そして不思議な光景でした。
一ヶ月が経った頃、「この状況を誰かが記録しなければいけない」と思い、ロックダウン下で人が全くいないストリートを一人で撮り始めました。
その後、他のヨーロッパの国々のニュースを見て「他の国の現状は?」「人々の生活はどうなっているのか?」と興味を掻き立てられ、実際に自分の目で見るため旅に出ることに。どこの国も、普段観光客で溢れている通りにはホームレスが増え、たくさんの人が職を失ったのは明らかでした。
しかし、ベネチアの水路からはゴミが消え、ロンドンの大気汚染は回復し、バルセロナ近郊の海には魚が戻って来たように、自然や地球の環境にはロックダウンはプラスに働いたように見えました。
ヨーロッパのロックダウンは、日本の緊急事態宣言よりも厳しい制限をかけるものでした。数百年に一度というほどの経済的ダメージで痛々しい光景をたくさん見ましたが、同時に助け合う人々の優しさに触れる機会も多かったように感じます。
コロナ禍で観光客が居なくなり様変わりしたヨーロッパの風景はもちろん、僕がロックダウン下のヨーロッパで感じた事を、この写真展を通して少しでも伝える事ができ、皆さまに感じていただけたらと思います。
Jay Hirano
北海道出身。1983年生まれ。フリーランスのフォトグラファーでありSMILEY & THE UNDERCLASSでドラマーとして、イギリスと日本を拠点に生活。高校卒業と同時に渡英し、在英19年。
フォトグラファーとして普段はライブ・ミュージック、ポートレイトなどを撮影しており、コロナ禍でロックダウン中のヨーロッパ六ヶ国を車で旅し人々のリアルな生活・現状を撮影。
今回展示する約40点の作品は、コロナ禍という特筆すべき時代を物語る証人となりそうだ。
Jay Hirano 写真展 「Lockdown – Recovery, Rebuild, Restart -」
開催期間:10月22日(金)〜11月4日(木)
会場:FUJIFILM SQUARE内、富士フイルムフォトサロン 東京 スペース2
所在地:東京都港区赤坂9丁目7番3号(東京ミッドタウン・ウエスト)
入館料:無料
公式サイト:https://fujifilmsquare.jp/
(冨田格)